統計データの二次利用に関するリリースが、2本発表されていますので、ご紹介しておきます。
◆総務省統計局
今月8日(2009/5/8)、総務省統計局から下記のリリースが発表されています。
ただし、誰でもOKというわけではなく、「学術研究を行なう研究者」に対してという限定つきですが。
公開されるデータは、
・全国消費実態調査 |
平成元年、6年、11年、16年 |
・社会生活基本調査 |
平成3年、8年、13年 |
・就業構造基本調査 |
平成4年、9年、14年 |
・住宅・土地統計調査 |
平成5年、10年、15年 |
また、オーダーメイド集計に対応するデータは、
・国勢調査 |
平成2年、7年、12年、17年 |
です。
実際に対応を行うのは、統計センターになります。こちら↓を参照ください。
◆日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)
こちらは先月になりますが、JMRAからも同様の制度に関するリリースが発表されています。
サービス提供のHPはこちら↓。
やはりこちらも、学術研究・教育限定ですし、提供範囲(概要のみ・集計表・データ等)もさまざまですが、JMRA会員社で行われている調査を知ることができるという点だけでも意義があるのかなと思います。さらに、データの再分析までできるデータが増えれば、簡単には収集できないデータも少なくないので、研究目的だけとはいえ大きな貢献を果たすのではないかと思います。
日本以外では、このようなデータの二次利用は可能だという話を聞いていましたが、やっと日本でも土壌ができてきたようです。これを最初の一歩として、データ利用環境がさらによくなり、研究の数や深さが増していけばよいなと思います。
PS.
関連して、本を一冊。
本屋さんに行くと平積みされているようですので、すでに読んだ方も多いと思いますが、↓の本が出ています(いまはやりの「○○力」がタイトルなのが、成功要因のひとつ?・・・)
内容は大きく3章構成で、1章は基礎編として世の中のさまざまなデータを例にデータの見方を解説、2章は中級編として平均、分散、正規分布、大数の法則など統計の基礎の説明、そして3章は上級編として過去データから未来を予測する方法を紹介しています。
本日紹介した統計局やJMRAのデータは研究者の利用を前提としていますが、研究者でなくても世の中にあふれているデータの見方を知っていると、社会の見方も変わってきます。こういう本が売れることは、とてもいいことですね。
不透明な時代を見抜く「統計思考力」 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2009-04-15 |