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寺子屋終了のお知らせ

もっとも直近で更新したのが2013年4月なので、いまさらこのような告知をしなくても既に終了しているようなものですが、一応お知らせを。。。

この寺子屋で使っていたブログサービスが、この11月でサービスを終了することになりました。従いまして、このブログも必然的に終了せざるを得ません。
(大手だからサービス終了はないだろうと思っていましたが甘かった。。。ここには、サーバーでもサービス終了の憂き目にあっているんですよね -_- 。いまだったら、大手ほどサービス終了があると学習しているんですが…)

「終了」とは更新を止めるということではなく、存在自体を終了しなくてはならない=「閉鎖」ということです。一応、ほかのブログへの引っ越し案内も来ていますが、そこはあまりビジネスにはそぐわないかなという感じで、いまのところ、そちらへの引っ越しは考えていません。

また、引っ越ししたとしてもURLが変更になるので、これまで蓄積してきたGoogle検索でのポジションが継続されることもなく、引っ越しにあまり意味を見出すことができません(最近は、更新していなかったのでだいぶ下がりましたが・・・)。

いまでも、コンスタントにアクセスがあるのはありがたいことですが、このブログの内容を考えると「生もの」的な情報が多く、時間が経つとその価値が減ずる(下手をすると害になる)内容が少なくありません。なので、あえて引っ越しという手間をかけてまで保存すべきものがあるかというと、そこまではどうかなと思っています(今のところ)。

実際、最近のアクセスの多くは業界情報系なので、そちらは今でも続けているFacebookでカバーできるかなとも思いますし。
(Facebookはこちらです → マーケティングリサーチの寺子屋FBページ 

さらに、寺子屋の開始当初はマーケティングリサーチについて情報発信していたものはほとんどなかったので、このブログにも幾ばくかの価値があったかもしれませんが、いまではリサーチに関する、いくつものブログやFacebookが存在していますし、リサーチ会社のHPを見ると用語解説的な情報は、ほんとうに充実しています。
さらに、ビッグデータやデータサイエンスなど、リサーチに関する記事は、ほぼ毎日のようにWEB上でお目にかかれる状況です(その内容については、いろいろと思うところもありますが、それは置いておいて…)

ということで、きっとこれが終了のタイミング、そろそろ終わりにしなさいというお告げなのだろうということで、2014年9月 11月末日(予定)をもって『マーケティングリサーチの寺子屋』は閉鎖させていただきます。
(追記20140930:11月末まで無料で利用できるということなので、とりあえず11月末まで延命します)

始まりは2006年10月、後半はだいぶさぼっていましたが、ここまで、まがりなりにも続けてこられたのは、読んでくれている人たちがいるんだと実感できたからです。最初の頃にコメントやトラックバック(すでに死語?^^;)を入れてくれた皆さま、いろいろなところで声をかけていただいた皆さま、ありがとうございます。
また、このブログを通じて、お仕事を発注していただいた皆さま、ほんとうに感謝しています。(実は、これがブログ閉鎖に伴う大問題なのですが・・・)

心の片隅では、場所をあらためて、2006年当初の目的(マーケティングリサーチのノウハウ的内容)での再開もしたいとは思っていますが、このような内容で、いまニーズがあるのか?という疑問も強く、正直なところ思案中です。始めるにしても、この寺子屋のように静かに始めて、求められていればアクセスも増えるだろうという程度のスタンスで望みたいと思います。
「再開したら」ではありますが、ご縁があれば、検索に引っ掛かり、あるいはSNSなどを通じて、皆さんの目にとまることもあるかもしれません。その時は、またよろしくお願いいたします。

最後にあらためて。
約8年の間、ほんとうにありがとうございました。
(あ、上記のFBページは、とりあえず続けますので^^;)

Face Book ページはじめました

ほぼ3ヶ月も経っての更新なのに、お知らせですみません。。。

ひっそりとFace Book ページを始めています。
こちらのblog が本編ではありますが、備忘録的に気になったことをエントリーしています。

「マーケティングリサーチの寺子屋」Face Book ページ

Face Book のアカウントをお持ちの方は、「いいね!」ボタンをクリックした上で、ご覧いただけるとうれしいです。
(すでに、100名を越える方に「いいね!」していただいています。この場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございます)

もちろん「いいね!」なしでも、アカウントをお持ちでなくても、見ることはできるはずですので、気が向いたらチェックしてみてください。

blog、twitter 、Face Book。
正直なところ、これらをどのように位置づければいいのか、迷っていました。
そんなときに読んだ『フェイスブックインパクト』での池田紀行氏のフレーズに、なるほどと。

フェイスブックインパクト つながりが変える企業戦略 フェイスブックインパクト つながりが変える企業戦略
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2011-04-15

使い方にもよるが、ブログは一人が話して皆が聞く「講演」、フェイスブックは参加者がみんなで交流する講演後の「パーティー」、ツイッターはさらにカジュアルな「飲み会」と表現できるかもしれない。(『フェイスブックインパクト』p45-46)

確かに、このブログを書くハードルは自分の中では、それなりに高いです。たかが個人のブログではありますが、ネット上で公開されるからには、それなりの質を保ちたいと思っていたので(とはいえ、私の中での基準なので、一般的にどうかという問題はありますが)。
また、備忘録的なエントリーはtwitter などのソーシャルメディアによって、どなたかがピックアップしてくれるようになったので、あえてこのブログで書かなくてもよくなりました。(このブログをはじめた5年前くらいは、マーケティングリサーチの情報発信なんて、ほとんどなかったので、このブログにも意味があったのですけど・・・)

一時期、twitter で備忘録を行なおうとはじめたのですが、twitter はこのような使い方は馴染まないということに気づきました。池田さんが指摘するように、もっとカジュアルに、「飲み会」的に、自分の気持ちを率直につぶやくのが馴染む媒体ですので。

で、Face Book です。
いまだに使い方がよくわからない面もありますが、文字数の制限がない点(あるかもしれませんが十分です)、リンク先のイメージが表示される点、「いいね」ボタンでエントリーに気楽に反応できたりコメントが残せる点、ある程度「顔がわかる」点(これは皆さんにとってはメリットにならないかもしれませんが・・・)、などがblogやtwitterにないメリットでしょうか。たしかに、エントリーに対しての反応をいただける「講演会後のパーティ」的な感じが得られます。
ですので、できれば「いいね」ボタンや、コメント、シェアを活用していただければと思う次第です。

とはいえ、Face Book で、そんなに長いエントリーはしません。あくまでも、備忘録的な位置づけですので、気楽にのぞいてください。
また、こちらのblog を更新したときも、Face Book でお知らせしますので、そのときはぜひコメントなどをいれていただけるとうれしいです。

(なんていいながら、このblog のエントリーはいつになるでしょうか?・・・
少なくとも、一月に一回はエントリーしようと思っていますけど^^;)

『定性調査がわかる本』林さんとのコラボはじめます!

このblogも、今度(2009年)の10月で開始4年目に入ります。

そこで、blogにも変化を!  ということで、『定性調査がわかる本』(→こちらで紹介しています)の著者の一人である林さんとのコラボを始めてみようと思います。
カテゴリーのひとつとして、林さんからの寄稿を掲載していきます。いまも現役で、定性調査のインタビューアをしていらっしゃる林さんの視点で、マーケティング・リサーチについての気づきを紹介してもらいます。

きっかけは、こんな感じでした。。。

(とある昼下がりの喫茶店にて・・・)

林さん:最近とくに感じるんだけど、調査会社がオリエンを受けての企画ができなくなっていると思わない? この傾向は益々酷くなってきているような気がする。[E:gawk]

owl:そうですよね。それは、感じます。

林さん:それにね、最近の調査って「証拠づくり」のための調査が多いと思わない?

owl:証拠づくり?

林さん:そう、証拠づくり。なんていうか・・・、担当者の意見を通すための調査というのかな。最初に答えありきで、その結果を出すための調査?

owl:仮説検証型の調査、ということですか?

林さん:仮説検証なら、それでもいいのよ。でも、検証でもなくて、会社で企画を通すための調査というか、最初に答えありきで、それを証明するための調査というか、要するに消費者の声は関係ないのね。[E:gawk]

owl:はいはい、「ためにする調査」ですね。結果が自分の思っている通りにでないと、調査がおかしいということになってしまうといいう。。。

林さん:他にも、よくテレビとか新聞とかのコメントで、「それってほんと?」と思うことがあったりするわけ。そんな一面的な解釈でいいの?、と思うような。

owl:わかります。一面的というか、ほんとにデータや起こっていることを、きちんと見ているの?っていいたくなることがありますよね。ひとつのイシューに対し集中豪雨的に触れるかと思えば、ステレオタイプな内容を振りまいて、あっという間に引いてしまうということが、最近目に付きますものね。

林さん:でね、そんなこんながあって、私ももっと情報発信したいなと思ったわけ。定性調査に関する真面目な情報提供の場ができないかなと。とくに企画の部分に関して、今言っておかないと誰もできなくなってしまうという危機感もあるし。テレビや新聞を見たり、本を読んでいても、こんな見方もできるんじゃない?、ということとかも話してみたいし。

owl:ぜひ、やってくださいよ。これまでの林さんの経験や知見をベースに情報発信すれば、きっと有益ですよ。

林さん:でね、寺子屋に居候させてもらえないかしら?[E:bleah]

owl:そういうことですか[E:coldsweats01]

実際は、かなりの時間、お話をさせていただいたのですが、核心部分だけ抽出すると、こんな感じで。こんなやりとりがあって、寺子屋に林さんの原稿を寄稿してもらい、紹介していこうということになりました。
テーマは、もちろんマーケティング・リサーチに関すること。最初にも書いたように、現役のプロジェクトマネージャーとして、そしてインタビューアとして、常に現場にいる林さんの気づきは、きっと皆さんの参考になると思っています。
さらに、一人では気づかなかった点を林さんにご指摘いただくことで、創発的に新たな発想が生まれる、あるいは考えがまとまっていくこともあると思いますし、これこそがコラボレーションによってもたらされる大きな効果だと思います。

これまでの寺子屋同様、ご愛顧いただければ幸いです。
(タイトルで、【Ms.H 】とあるときが、林さん寄稿の回になります。)

PS.
ということで・・・。
人様の力を借りるだけなのもどうかと思いますし、今後は個人的な負荷もだいぶ軽減されることになりそうなので、本来のこのblogの趣旨でもあった「寺子屋」も再開できればと思っています。できるだけ早い内に、再開を目指しますので、こちらもご期待ください。
(久しぶりに会話形式の文を書いていたら、懐かしくなりました・・・)

intermission

「寺子屋」お待ちの皆様(いるんでしょうか・・・?)、次の展開に向けてしばらく幕間とさせていただきます。
次回からは、リサーチの具体的なことについてやっていこうと思うのですが、どのような内容にしようかと思案中です。。。

構成は、どうしようか・・・。
教科書的にしても、つまらないし・・・。
とはいえ、ばらばらにやっても理解しずらくなるか・・・。

内容はどうしようか・・・。
これだけ、調査環境が変わっているのに、教科書的にやってもしかたがないな・・・。
でも、原理原則を知らずに応用だけやっても、確かな理解にならないし・・・。

事例、エピソード・・・。
どこまで踏み込もうか・・・。
創作で、どこまで真実味が出せるか・・・。

などなどと、考えております。
年明けから新シリーズとしてはじめようと思いますが、「こんな内容を期待している!」「こんなことが知りたい!」というようなことがありましたら、どんどんコメントください。
参考とさせていただきます。

それまでは、本紹介をメインに進めていきます。
⇒「マーケティング・リサーチの寺子屋~出張書店」で紹介している本を中心に)

寺子屋にあわせて紹介しようかと思っていたのですが、それではいつのことになるやら・・・、なので、ベーシックなものから、そうでないものまで、マーケティング・リサーチや市場調査に参考になると思われるものを、どんどん出していこうと思っています。
あらかじめ、こちらで興味があるものを読んでおいてもらった方が、blogの内容もより理解しやすくなると思いますし。。。
(年末年始の休みにも入りますし・・・)

話はかわりますが・・・
今日の「カンブリア宮殿(テレビ東京)」は、医師の鎌田實さんでした。
以前から個人的に思っていたことに、リサーチャーはお医者さんと同じ気持ち、姿勢が必要ではないか、ということがあります。
相手が、人間か、企業や組織か、という違いはありますが、どこに問題があるのかを適切に判断できることが必要ではないかと。そして、問題や課題を適切に伝え、クライアント(患者さん)のよくなりたいという気持ちに応え、よくなるための行動を手助けすることが大切なのではないかと。
ただ、お医者さんは自分で処方や施術を行うことができますが、リサーチャーはこれらのことを自分で行うことはできません。これは、大きな違いですが。

今日の鎌田さんの発言で、強く同意したことはつぎのことです。
カンブリア宮殿のHPより引用させていただきました)

「医学は生物学とは違い、人間科学である。人間の疾病を部品の故障というようなデカルト的なとらえ方をせず、対象の個別性やその人が生きてきた歴史に配慮し、それぞれの『生きている意味』を尊重して、治療していくべきではないだろうか」
「ぼくら医療者はつい、肺炎という疾患だけをとり出して、入院が必要という常識を振りかざしてしまう。彼は自分の命全体を見つめながら、多様なファクターを多重に分析し、入院が必要かどうか考えていた。ぼくら医療者はこの患者のわがままをもっと大切にしなければいけない」

よく、西洋医学と東洋医学の違いなどと議論されることですが、患部にだけ注目し要素還元主義的な治療を行うのか、人体を小宇宙とみたててホリスティックな立場で治療を行うのか。。。
医療にかかわらず、哲学でも西洋と東洋の違いとしていわれていることですよね。
(たぶん・・・です。医学も哲学も専門ではないので、間違いがありましたらご指摘ください)

で、リサーチ。
ひとつのデータや、特定の事象にとらわれ、木を見て森を見ずになってしまうことがあります。また、クライアントの背景や周辺情報、これまでの過程や結果を見ずに分析を行い、ピントはずれの結論を導きだすこともあります。
いずれも、戒めたいことです。
クライアントにとってのリサーチャーは、かかりつけのお医者さんのように、そのクライアント全体を視野に入れ、過去のリサーチ結果もふまえながら、仕事をしていくべきだと思っていますし、そうありたいと思っています。
(リサーチャーとお医者さんを一緒にするのは、失礼かもしれませんが・・・)

なので、「コトー先生」や「医龍」や「救命病棟24時」や「白い巨塔」や・・・、
医療関係のドラマを見るのが好きなowlなのでした・・・。

OWLはどんな人?(執筆者紹介)

P夫 owlさんは、これまでどんなことをやってきたんですか?

owl 最初に入った会社が、マーケティング会社だったんだ。ただ、それまで「マーケティング」とはどんなものかはほとんど知らなかった。大学でマスコミュニケーション論を専攻していて、広告には興味を持っていたんだけど、社会学系だったから、どちらかというと記号論とかコミュニケーション論、文化論からの視点でみていただけだったので。
社会調査論も勉強はしたんだけど、Q子さんと一緒で、いまひとつよくわからなかった。いや、わかっていなかった、というのがほんとうのところだね。ただ、この時に買わされた本は後で役にたったけどね。

Q子 そうなんですか。で、その会社ではどんなことを?

owl 最初に配属されたのが、リサーチで得られたデータの解析を主に担当する部署だった。当時はパソコン環境は今のように一人一台なんてとんでもない時代だったけど、SASという統計解析ソフトやASSUMという集計ソフトで集計をやったりしていたね。
今にして思うと、最初に集計・解析をすることができたのはラッキーだったかもしれない。後で調査会社に転職することになるんだけど、大きな調査会社は機能別に組織が分かれていることが多くて、自分で実際に集計や解析を経験できない人もいっぱいいるんだよ。
確かに、集計や解析を自分でできなくても、データの読み方とかがわかっていればそれでいいんだけど、やっぱり自分でソフトを操作することで覚えられることは多いからね。
それに、いろんな調査票をみることができたし、調査票の難しさがわかったのも実際に集計をしたことで覚えられたと思うし。

P夫 マーケティングの会社なのに、集計ばかりやっていたんですか?

owl そんなことはないよ(笑)。報告書も書いてたよ。この会社は、機能別に組織が分かれていなくて、クライアント別にチームを作って仕事をしていたんだ。だから、何かひとつの業務をしていればいいというわけではなく、いろいろなことを経験できたのもよかったね。
だからかな、リサーチをするにしても、マーケティングの視点から、調査を設計したり、結果を読むくせをつけてもらったね。この会社はマーケティング・エージェンシーとしては日本でも有数の会社だと思うし、その中でマーケティングやリサーチの勉強ができたことが、またまたラッキーだったと思うね。
マーケティング・リサーチというのは確かに「調査」だし、社会調査の基礎を知らないといけないけど、目的は「マーケティング」に寄与することだから。リサーチ、調査はあくまで手段であって、その結果をどうマーケティングに活用できるかが求められていることだから。「調査結果はこうでした」で終わっていては何の意味もなくて、「だからこうするのがいい」ということが言えないとね。

P夫 あれ?僕もいくつか調査会社に仕事を頼んだんですけど、出てくる報告書は「○○は▲▲%」ってことだけ書いてるものが多いですけど・・・。だから、その後がたいへんで。

owl それがすべてだとは思わないけど、確かに調査会社の報告書はリコメンドが弱いものが多いかもしれない。日本では、調査会社は「データを収集して、集計すること」までが業務とされることが少なくないからね。調査会社に仕事を出すほうにも問題があるとも思うけど。

Q子 じゃあ、なんで調査会社に入ったんですか?

owl マーケティング会社で仕事をしていて、リサーチの仕事が面白いと思ったことが大きいかな。マーケティング会社なんで、リサーチは一部でしかなくて、クライアントが結果を出すためにマーケティングの展開までをサポートしていたんだ。でも、そうなるとリサーチをしなくてもいい仕事も少なくないからね。それに、もっといろいろな業界のリサーチをやってみたいとも思ったし、もっとリサーチを知りたいとも思っていたね。
で、調査会社に入ったんだけど・・・。

Q子 けど?

owl うん。期待通り、それまで携わったことのない業界の仕事もできたし、いろいろなリサーチ手法も知ることができた。リサーチを究めるということでは、とても勉強になったよ。
でも、今度はどうもマーケティングから遠くなった気がするんだ。さっきも言ったように、リサーチは手段でしかないと思うんだけど、調査会社は、いかに正しいデータを収集するか、そのデータを使いやすいように集計・加工することが主な業務だったから。

Q子 そうなんですか?調査会社も希望しているんですけど・・・。

owl  それもいいんじゃないかな。マーケティングを仕事としていくためには、リサーチの知識は絶対必要だと思うからね。ただ、ほんとうに自分がやりたいことが何かをしっかり持って、会社とは別に勉強をしていかないと、日々の仕事に埋没してしまうことがあるから、その点だけは注意する必要があるだろうね。

Q子 で、いまではフリーでお仕事をしているんですよね?それはなぜですか?

owl うん、世の中にはいろいろな調査会社があるということがわかったのも、調査会社に入っていい点だったね。でも、そうなると、「この調査は、他の調査会社の方が得意なのでは?」ということを思うことも少なくなかった。でも、調査会社が他の調査会社に実査を頼むというのはなかなか難しいし、頼まれるほうも嫌がるしね。
だったら、特定の調査会社に所属することなく、フリーの立場でいればいいと考えたんだ。クライアントのテーマによって必要とするリサーチ手法や分析手法は異なるよね。そして、調査会社はそれぞれ得意とするリサーチ手法、分析手法を持っているんだから、クライアントのテーマにあわせて調査会社を使い分ければより効果的で効率的な仕事ができると思った。
で、私は何をするかというと、クライアントのテーマに沿った企画・設計を行い、実際にデータを収集する部分については調査会社をコーディネート、プロデュースしていく。で、調査会社の報告書とは別に結果をサマライズし、クライアントと一緒に今後の活動について考える。こんな活動ができれば、理想的だなと思ったんだね。

P夫 う~ん・・・。じゃあ、調査会社は具体的にどんなところなんですか?実は、僕も調査会社と仕事をしていて悩むことがあるんですよね・・・。なんか、こちらの意図が伝わらないというか、わかってないというか。

owl よし、では次回は日本の調査業界について、少し話をしよう。
では、つぎの本を次回までに読んでおくこと。

マーケティング・リサーチ業界
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2004-03

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寺子屋メンバー紹介2

P夫 owlさん、もう一人仲間を入れてもいいですか?

owl 一人では寂しいし、仲間がいた方が議論もできるから歓迎するけど、どんな人?

P夫 大学のゼミの後輩で、まだ学生なんですけど。今度、就職をするみたいで、マーケティングがやりたいとか言っていて、この寺子屋の話をしたら、一緒にやりたいと。

owl ほう、それはいいかもしれないね。

P夫 実は連れてきているんですけど。

Q子 こんにちは!P夫さんの後輩で、Q子といいます。一緒に勉強させてください!

owl Q子さんは、なんでマーケティング・リサーチの勉強をしたいと思ったの?

Q子 大学でマーケティングの授業を聞いていて、面白そうだなと思って。ただ、マーケティングにはリサーチが欠かせないということはわかるんですけど、リサーチや調査って難しそうだし、社会調査の授業も取ったんですけど、なんかぴんとこなくて。。。
でも、最近テレビでいくつか調査のことをやっていたのを見たんです。報道ステーションでは小泉さんが独自に調査を行っていて、それを元に政策や発言を考えたりしていたと。この前の古畑任三郎vs.SMAPの時も、最初に数量化Ⅲ類のマップとかいって、これまでの事件を分類してたんです。そんなのを見ていたら、おもしろそうだな、もっと知りたいな、と思って。
それに、就職もマーケティングの仕事をしてみたいと思っているので、マーケティング・リサーチって必要かなと。

owl 両方とも見たよ。さすがに、古畑任三郎で数量化Ⅲ類が出てきた時には、びっくりしたけど。わかる人がいるのかな?って・・・。だいぶ先の話になると思うけど、数量化Ⅲ類のような解析についても、勉強するからね。
でも、フジテレビは昔からマーケティングの番組は好きだったね。1990年前後だと思うけど、深夜番組で「マーケティング天国」とか「カノッサの屈辱」とかやっていてね・・・。よく見たな・・・。

P夫 owlさん、そんな遠い目で・・・。どんな番組だったんですか?

owl う~ん、説明は難しいな。。。ヤフーとか、wiki で調べてみな。

Q子 そういえば、owlさんのこと、知らないですね。。。
今度は、owlさんの自己紹介をしてくれます?

owl そうだね、では次回に。
ところで、Q子さんも前に紹介した3冊の本は、次回までに読んできてね。

Q子 はーい

寺子屋メンバー紹介1

P夫 owlさん、「はじめます!」と言ってから2日経ちますが・・・。

owl  そうだね・・・。ちょと気になる本を読んでいたから。。。

P夫 で、今日は何からはじめますか?

owl  まずは、君の自己紹介から。どんな人が、どんな目的でこの寺子屋で学ぼうとしているのかを知りたいから。

P夫 えーと、ある企業に入社して4年目です。実はこの4月からリサーチセクションに配属になったんですが、マーケティング・リサーチというものについて勉強したことがなかったので、何をどうやったらいいのか全然わからなくて。。。

owl でも、先輩たちがいるでしょ?

P夫 いるんですけど・・・。実は、うちはまだ若い会社で、これまではどちらかというと技術力を強みに商品を開発して、リサーチとかあまりやったことがないんです。なので、皆が手探りでやっている状態なので。

owl なるほど。。。で、少しは自分で勉強してみたの?

P夫 一応、WEBで「マーケティング・リサーチ」を検索してみたんですけど。これはというものはなかったですね、調査会社がいろいろあることはなんとなくわかったんですけど。それに、blogとかを検索すると「お小遣いを稼ぎましょう」みたいなものが一杯でてきて、マーケティング・リサーチってなんなんだろうって、ますます不思議になりました。

owl そうだね、blogでよくみるのはモニター募集を紹介するものが多いからね。それも、リサーチをするときには、よく考えないといけないことなんだけど・・・。その点は、おいおい勉強しよう。他には?

P夫 本も読んでみようかなと思いましたが、どれを選んだらいいか、よくわからず。。。

owl うん、いろいろな本があるからね。中を見ると、やたら数式がでてきたり。

P夫 そうなんですよ!なんか、とっつきにくくて。僕は文系なんで・・・。

owl 私も文系だけど・・・。じゃあ、とりあえずいくつかの本を紹介するから、まずはその本を読んでみて。どちらかというと、マーケティング・リサーチというよりは、世論調査や社会調査に関する本なんだけど、マーケティング・リサーチといえど、ベースとなっているのは調査理論だから。世の中のデータや調査のいい加減さを指摘しているんだけど、調査やリサーチをする上で、押さえなければならない点が、なんとなくわかってくると思うから。

P夫 はい・・・。

owl では、つぎの3冊ね。

「データの罠~世論はこうしてつくられる」(集英社新書)
「社会調査のウソ~リサーチ・リテラシーのすすめ」(文春文庫)
「統計でウソをつく法」(講談社ブルーバックス)

(これらの本については、別の投稿で紹介します)

マーケティングリサーチの寺子屋、はじめます

「リサーチ」や「調査」ほど、ほんとうは私たちの生活に大きな影響を与えていながら、反面、きちんと理解されていないものはないのではないか?
これが、このblogをはじめるきっかけです。

誰でも一度は、「アンケート」を行ったり、回答したことがあると思います。また、新聞やテレビ、雑誌、WEB上には様々なデータや調査の結果が、毎日といってもいいほど掲載されています。しかし、約20年にわたってマーケティングリサーチの実務に携わっている身からすると、「これでいいの?」という内容のものが少なくありません。

また、実務を通じて接してきたクライアント、とくに40代以上の方々からも、「最近、調査についてきちんと理解している人が少なくなった」という話をお聞きします。調査会社に身を置いた経験からも、確かにリサーチについての知識、さらにいえばリサーチに対しての認識自体がかなり甘いものになっているのではないかと感じています(一般企業に限ったことではありません。調査会社においてさえも、です・・・)。

さらに、マーケティング・リサーチは企業ばかりではなく、商品やサービスを購入する人すべてに寄与するはずのものなのに、“調査”という言葉のためか、「あやしい・・・」「怖い・・・」「あとでセールスをされるのでは・・・」「協力する理由がない」といった反応をする人も多く、調査に協力してくれる人を探すのもたいへんな状況にあります。個人情報保護法の施行以来、この傾向は強まるばかりです(国勢調査ですら・・・)。

このままでは、企業(非営利団体や行政機関等も含め)と生活者を繋ぐマーケティング・リサーチは機能不全に陥るのではないか、そんな危惧を抱いています。リサーチの実施者、そして適切なリサーチによって、より豊かな生活を実現できるはずの生活者にとっても不幸なことだと思います。ところが、リサーチをわかりやすく伝える本や記事、HP、blogはあまりにも少ないと感じています。

そこで・・・、

「マーケティング・リサーチの寺子屋」をはじめます。

日々の業務でリサーチを必要とする人にとっては、教科書的な知識はもちろんですが、20年の実務から得た経験を加えながら、できるだけわかりやすく、実務に使える内容に。

また、リサーチを業務としない人にとっても、リサーチが大切な機能を担っていること、一方でデータの怖さをわかってもらい、データを読み解くことができるように。

構成は大きく3本。

  • マーケティングの寺子屋
    マーケティングリサーチ、市場調査について、問答形式でノウハウをお伝えします。
    教科書的にリサーチの知識やノウハウを伝えるのではなく、会話形式での読みやすさ、わかりやすさに主眼をおきます。
  • 書籍紹介
    広くマーケティングリサーチに関する本を紹介していきます。できるだけ新しいものを紹介していきますが、テーマにあわせ必要と思うものは新刊にかかわらず紹介します。
  • 巷の調査
    メディアにとりあげられたデータや調査結果を、リサーチ実務家の視点から紹介します。事例をふまえながら、リサーチについて学べる内容にしたいと思います。

とりあえずは、この3つのテーマで進めますが、内容は柔軟に。
アクセスアップのための内容も織り交ぜつつ・・・。

では、開校です。