日別アーカイブ: 2007-07-07

ヤフーバリューインサイトHP

前の投稿を確認していたら、ヤフーバリューインサイト社のHPを発見。
「IP+IS=ヤフーバリューインサイト」という投稿をした手前もありますので、一応、紹介をしておきます。(なにせ、この記事へのアクセスが多いですし・・・。)

ヤフーバリューインサイト株式会社HP

(リサーチメニューをみると、「グループインタビュー」や「会場調査」が確かに入っていますね・・・。すでに、これらの調査のノウハウを持っているスタッフがいるんでしょうか?
これはこれで、インターネット調査とはまた別の実査ノウハウが必要なんですけど・・・。)

それはいいとして・・・、
「調査・分析手法」のページは、なかなか充実しています。とおり一遍ではなく、わりとわかりやすい内容で、紹介がされていると感じました(旧インタースコープ社のページでもあったものですが)。一度、ご覧になるのも勉強になると思います。
(って、ヤフーバリューインサイトの営業をしてもしょうがないですけど・・・)

とりいぞぎ、ご報告まででした。






「シニア」って誰ですか?

少し前の記事になりますが、

低調なシニア向けケータイ、40歳以上で5%未満(japan.internet.com)

という記事が出ています。また、同じところからのリリースで、

「シニア向けサイト」を利用しない理由は「自分はまだシニアではない」

という記事もあります。
確かに、これらの記事を見たような記憶があったのですが、スルーしていました。
ところがいくつかのblogで、これらの記事を題材にしているものがあり、もう一度記事を見直したのですが。。。(文末に、同じテーマを上げている方のblogを紹介しています。)

ポイントは、「調査対象者の設定」です。
調査対象者は、つぎのようになっています(いずれも、ほぼ同様です)。

調査対象は、全国の40歳以上の男女330人。性別では、男性44.2%、女性55.8%。年齢別では、40代53.3%、50代27.9%、60代14.5%、70歳以上4.2%。

40代が過半数、50代が3割近く、このふたつの年代で8割です。
はたして、「シニア向け携帯」や「シニア向けサイト」のターゲットはこの年代なのか???
どう思いますか?

なのに、この調査対象者でシニア向け携帯の利用率が5%未満だからといって「低調」と結論付けることになんの意味がるあるのでしょうか?
また、調査方法がインターネット調査なのですが、インターネット調査にモニター登録するような方は、そもそもがPCや携帯のリテラシーは低くはないでしょう。その人たちに、シニア向け携帯の調査を行うことに意味があるのでしょうか?この記事のリンクにある記事(ドコモ、FOMA 対応のらくらくホンを発売)のように、シニア向け携帯電話は、現在の高機能な携帯電話では使いこなせない方や、画面の文字が小さくて読みにくいという方にむけて、使用方法をシンプルにすることをコンセプトとしているはずなのに・・・。
(かくいう私もすでに40代ですが、シニア向け携帯のお世話になる気など毛頭ありません。画面の字が小さいと感じることもありませんし、機能が使いこなせないということも全くありませんので -_- )

一方の「シニア向けサイト」については、「シニア向けサイトを利用しない理由は、自分はまだシニアではない」って・・・。
これって、何か意味がある結果でしょうか???

「調査対象を、どう設定するか」は、調査を行う上でのイロハの部分であり、この部分をしっかり行わないと、どんなに優れた質問設計や分析を行っても、結果にほとんど意味はありません。車の両輪のひとつといっても過言ではない重要なポイントです。
ところが、現状では、この部分がかなり疎かになっていると感じています。
調査のテーマは何なのか、そのためにはどのような人たちを対象とした調査を行うべきなのか、このあたりの議論が十分になされないままにリサーチが行われているように思います。(それだけならまだしも、こうやって、その結果がいかにも一般的な傾向であるように公表される・・・)

だいぶご無沙汰している「寺子屋」本編ですが、近日中に、この「調査対象者の設定」に関わる問題から再開をしようと思います。

PS.
この記事についてコメントしているblogは、↓のようなものがあります。
いずれも、もっともなご意見だと思いますので、参考にしてください。

これで調査レポートと言えるの(「市民はたさんの普通の感覚?」さん)

シニア向け携帯電話 No1(「消費者心理学とマーケティング」さん)

このリサーチおかしくないか?(「NOTHING BAT・・・」さん)