日別アーカイブ: 2007-01-25

業界再編の予感・・・

このblogでも、何度かマーケティング・リサーチ業界は再編すべきではないかというような事を書いてきましたが、ここにきてその予兆が、かなり現実的なものになってきたといえそうです。
(かなり長いエントリーですが、業界再編論については、こちらをご覧ください。)

■予兆その1

本日(2007年1月24日)、Yahoo!(ヤフー)社から、つぎのようなリリースが発表されています。

株式会社インタースコープの株式の取得(子会社化)に関する基本合意について

Yahoo!社は、すでに一昨年、インフォプラントの株式も取得しています。

株式会社インフォプラントの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

さらに、その前(2002年)には業界最大手のインテージと、新会社を設立しています。

Yahoo! JAPANがインターネットリサーチ事業の新会社「インテージ・インタラクティブ」を設立

さすがYahoo!社というべきでしょうか、機を見るに敏、疾(はや)きこと風の如し。

ただ、よくわからないのは、子会社化してシナジーが得られるのかということ。Yahoo!単独でも、事業部として活動を行っているようですし、4社が並列に営業をしたり、システムを抱えていても無駄ではないかと。。。
それぞれの関係がどうなっているのかは、中にいないのでわかりませんが、1社に統合すればこそ、4社のパワーが発揮できるのではないかと思います。
Yahoo!のモニター構築・管理力と顧客基盤、インフォプラントのシステムとネットリサーチ先駆者としてのノウハウ、インタースコープの分析力、インテージのマーケティング・リサーチ理解力。(ただ、インテージはこのグループに入らなくても、単独で世界のマーケティング・リサーチ業界で11位ですが・・・)

とくに今回は、以前からHPを見ていて、研究・開発力に一目置いていたインタースコープだけに、今後このグループがどのような展開を見せるのか、注目してみていきたいです。

■予兆その2

「その1」は、インターネット・リサーチ業界主導の再編ですが、そういえば海外主導の再編もあったなと思い、リサーチ・インターナショナルになったのはいつ頃だったかを確認するためにHPに行ってみたら、つぎのようなリリースがありました。

Research International in Japan becomes part of Japan Kantar Research

少し前には、やはり世界的なリサーチ会社であるテイラー・ネルソンも、こんなリリースを。

TNSとインフォプラン、合併に合意

また、少し古くなりますが、2005年には日本での古くからのリサーチ会社であった日本統計調査社も。これは、結構衝撃的でした。

IPSOS グループへの参加について

世界トップ10のリサーチ企業で、日本に参入していない会社があるかどうか・・・。
ここらへんの事情はあまり詳しくないのですが、やはりクライアントのグローバル化と相俟って、国際的なリサーチ業界の再編もまったなしというところのようです。
(すでに、終わっているのか?)

■考察・・・

このように、マーケティング・リサーチ業界は、確実に再編の過程にあるといえそうです。
その主導権を握っているのは、インターネットリサーチ会社と外資系リサーチ会社。

おそらく今後、日本での業界TOP10は、断トツ1位のインテージ、インターネットリサーチの雄・マクロミルとYahoo!グループ(ただ合計売上とはならないので、ランキングには上がってこないと思います)、外資系リサーチ会社グループのカンター、TNS、ACニールセン(業界団体に加盟していないので正確な売上はわかりませんが)、IPSOS、そして親会社のしっかりしているビデオリサーチ、電通リサーチ、日経リサーチということになるのでしょう。。。

対して、民族系(日本資本という意味)・独立系・非装置系のリサーチ会社は、どのような戦略を描くのか・・・。
クライアントにしてみれば、調査手法によってリサーチ会社を使い分けるのではなく、一社に大半のリサーチを任せることのできる実査力・技術力を持ち、コンサル的な機能をも果たしてくれる日本資本の総合マーケティング・リサーチ会社も望んでいると思うのですが。リサーチの実施には、クライアント理解力も重要な要素ですので、真のパートナーとなり得る会社を望んでいると思うのです。
それに、資本力。上記のTOP10企業の資本力との差を考えると、現状のままでは、新たな手法・分析研究や、海外展開(とくにアジア)、さらに進むリサーチのIT化へ対応する資金、人材・・・、どれをみても差をつけられるばかりになるのではと思います。
ここはひとつ、合従連衡して、「日本資本の総合マーケティング・リサーチ会社」を目指す動きにならないだろうかと期待(妄想?)しています。
(ただこの際、ネットリサーチ会社も巻き込まないと、意味ないですが。)

民族系・独立系・非装置系のリサーチ会社が取りうる、もうひとつの選択肢も、あるにはあります。実は、こちらの方が現実的ですが。
おそらく、マクロミル、Yahoo!がつぎに考えるのは既存の調査手法をベースとした会社の買収・連携だと思うのです。そうすることで、リサーチノウハウを手に入れ、総合リサーチ会社として飛躍できますから。
また、海外資本のリサーチ会社にしても、まだまだ規模を拡大していく志向もあるかもしれません。
自ら動くことなく、このような流れ(買収?)に身を任せていれば、ある意味、安泰でもあります。(彼らの選択肢に入れば、ですが。)
ただ、この時に、1970年前後から培ってきた各社のリサーチに対する知見やノウハウが、どの程度、顧みられるのか。経営を支配できるのは、当然、買収する側ですから。
この点に、一抹の不安がないではありません。。。

(「考察」に関しては、執筆者個人の私見であることをお断りしておきます。)

追記(2007.1.26):
『マーケティング千日回峰』さんのblogでも、少し異なる視点からエントリーされています。
こちらもご参考ください。

⇒ 『ネット調査業界再編か』