マーケティング・インタビュー 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2004-07-30 |
定性調査に関する本を、もう一冊。
梅沢氏の本は、グループインタビューについての最初=企画から、最後=分析・報告まで書かれていましたが、本書はもっと「聞き出す技術」に焦点をあてて書かれています。
グループインタビューにしても、一対一のインタビューにしても、企画・設計はできても、実際に対象者の本音を聞きだすことは、また別の技術がいることです。
著者も「はじめに」で、つぎのように書いています。
筆者はこのような調査のインタビュアー(専門的にはモデレーターと呼ばれる)として、この10年間で1万人以上にのぼる消費者・専門家の声に耳を傾けてきた。そうした経験から言えることだが、消費者の気持ちを「聞き出す」には工夫がいる。漠然と質問をぶつけているだけでは答えてくれない。インタビューの進め方、質問の投げかけ方、回答の受け止め方、そして人の意識を掘り下げる手法などを学び実践することで、聞きたかったことが「聞き出せる」ようになる。
本書では、この「聞き出す技術」について、事例を交えながら教えてくれます。
これからインタビューを行ってみたい方、これまで行ってきたけど、なかなかうまくいかないと感じている方、ぜひ本書を参考にしてください。きっと、「聞き出す技術」のヒントを得られると思います。
もくじを紹介します。
第1章 マーケティング・インタビューでわかること
第2章 言語以外の情報を読み取る
第3章 インタビュアーが守るべき3つの原則
第4章 インタビュー対象を選ぶ
第5章 「聞き出す」ための視点と枠組み
第6章 安心して話してもらうために
第7章 語りにくいイメージを探る方法
「聞く技術」は何も、グループインタビューやデプスインタビューなどの場面だけで必要になる技術ではありません。ちょっと気になることを、友人や知人、家族などに聞いてみるときにも役立つ技術(スキル)です。
また、私見ですが、インタビュアーは本来、テーマや課題を持っている人が、直接、対象者に問いかけるのが一番だとも思っています。なにも、調査会社に任せることはない、と感じています。
ぜひ、本書で「聞く技術」について理解をして、ご自身でインタビュー(などと構えずに、聞いてみる、でもいいです)を行うことが、皆さんのビジネスに大きな成果をもたらすと思います。
なお、このblogでも、これまで「インサイト」に関する本をいくつか紹介しています。
こちらの本も、あわせて読んでいただくと、よりよいと思いますので、こちらもご参考ください。
・「リクルート創刊男の大ヒット発想術」
・「アカウントプランニングが広告を変える」
・「インサイト」「図解でわかるインサイトマーケティング」