マーケティングリサーチハンドブック―リサーチ理論・実務手順から需要予測・統計解析まで 価格:¥ 3,990(税込) 発売日:2004-12 |
「小難しい理論とか考え方はおいておいて、もっと実務で使える本はないの?」という方、本書をどうぞ。
「ハンドブック」というわりには、総ページ数437ページにも及びます。マーケティング・リサーチと統計解析もあわせて、網羅的に実務書を書くとこれだけの分量になります。
それでも、本書は左ページに文章、右ページに図表という形で、できるだけわかりやすく、マーケティング・リサーチの実務について整理している唯一の本だと思います。
とくに、実査とよばれるデータ収集の段階について、これだけていねいに書かれたものはないのではないでしょうか?
もくじを紹介します。
第1章 マーケティング・リサーチとは
第2章 マーケティング・リサーチの種類
第3章 2次データ収集分析調査
第4章 定性的調査
第5章 観察調査
第6章 実験やテスト
第7章 アンケート調査の種類
第8章 アンケート調査の企画
第9章 アンケート票の作成
第10章 アンケート調査の実査
第11章 調査データの集計
第12章 報告書の作成
第13章 個人情報の保護
第14章 統計解析の基本
第15章 需要予測
第16章 多変量解析
著者は、調査会社の現場で長らくリサーチを行ってきた方ですので、本書のような実務書が書けたのだと思います。
本文ももちろんポイントをついて整理されていますが、なかなか味があるのが、各章の最後に書かれている「Coffee break」です。実務を行う上で、見失いがちになったり、忘れかけてしまうような点を指摘してくれています。
たとえば、
・スローリサーチとファーストリサーチ
・2次データの鑑定眼を磨こう
・実験やテストは繰り返しで信頼性が高まる
・アンケート調査の「その他」
・数を追う猟師、山を見ず
といった内容です。
このコラムだけでも、一見の価値があるかもしれません。
マーケティング・リサーチの実務に携わっている人は、新たな手法に取り組まなければならないときや、わからない言葉に出会った時などの検索用に、デスクに常備しておくのによい本だと思います。