日別アーカイブ: 2008-06-18

『マーケティングリサーチの論理と技法・第3版』

マーケティングリサーチの論理と技法 第3版 マーケティングリサーチの論理と技法 第3版
価格:¥ 3,675(税込)
発売日:2008-06

以前ご紹介した『マーケティングリサーチの論理と技法』の第3版が出版されていました。
第2版から、ほぼ4年を経ての改定です。

内容は、ほぼ全面改訂ではないでしょうか?
ページ数は、第2版が368ページだったのに対し、第3版は472ページと、なんと100ページの増加!構成も第2版とは大幅に変更になっており、もはや別の本といってもいいくらい改定が施されていますので、第2版を持っている人が改めて購入しても損はないと思います。
(ただ、第2版も手元に置いておいた方がいいかもしれません。実験法など、今回の改訂で削除されている項目もありますので。ちなみに、第2版の紹介は、こちら にエントリーしてますので、もくじを比較してみてください。)

ということで、もくじを紹介しておきます。

第1部 マーケティングの考え方とマーケティングリサーチ
 第1章 マーケティングとは、マーケティングリサーチとは
 第2章 マーケティングリサーチの新しい動き
第2部 マーケティングリサーチのプロセス
 第3章 調査計画書の作成
 第4章 調査票の設計
 第5章 母集団・標本・サンプリング
 第6章 データの集計
 第7章 分析・報告書の作成・プレゼンテーション
第3部 マーケティングリサーチの手法
 第8章 定性調査とGI
 第9章 定量調査のデータ収集方法と特徴
 第10章 インターネット調査
 第11章 サービス業にとっての調査
 第12章 B2B調査
第4部 マーケティングリサーチの2つの専門技法
 第13章 区間推定と有意性検定
 第14章 多変量解析
第5部 マーケティングリサーチの応用
 第15章 新製品開発のためのマーケティングリサーチ
 第16章 市場とブランドに関するマーケティングリサーチ
 第17章 マーケティング・コミュニケーションと広告に関するマーケティングリサーチ
 第18章 マーケティング・リサーチの管理

この4年間での、マーケティング・リサーチを取り巻く環境がいかに変化したかを感じさせられる構成・内容です。著者が「まえがき」で書いている以下の考え方に、同感です。

こういった構造変化(owl注:インターネット調査へのシフト)は、リサーチャーのみならず、調査結果を利用するマーケターの意識やデータの利用の仕方にも影響を与えている。著者が見る限り、品質至上主義・統計学重視から意思決定至上主義・認知科学重視へ、さらに、調査報告を時間をかけてつくりあげる気風から情報をリアルタイムに処理する方向に、それぞれ重心が移ってきているようである。

インターネット調査については、10章で34ページを費やして、丁寧に検証しています。ほぼ同じ論点で論文を書ければと思っていたので、ここで書かれている視点についても、同意です。(内容については、購入してお確かめください)

もくじをご覧いただくとお判りいただけると思いますが、第2版に比べ、かなり網羅性が高まっています。ただ、マーケティング・リサーチに関することを、これだけ網羅的に詰め込むと、一方で内容の深さは犠牲にせざるを得ません。
ですので、マーケティング・リサーチの全体像とポイントについて、この本で押さえた上で、それぞれの個別テーマについては、さらに専門的な本でカバーしていくのがいいと思います。

おすすめです。

【追記:2010.4.15】

さらに、第4版が出版されています。

マーケティングリサーチの論理と技法 マーケティングリサーチの論理と技法
価格:¥ 3,465(税込)
発売日:2010-03