インテージの2008年3月期決算が発表されています。
連結決算で見ていくと、売上331億円(対前年+7.5%)、営業利益33億円(+13.1%)と順調な数字を残し、今年(2008年)の1月には東証2部に上場も果たしています。
市場調査・コンサルの部門数字は、218億円で+9.9%の伸び率とこちらも順調のようです。
さらに、カスタムリサーチとパネル調査に分けてみると、以下のような数字になります。
カスタムリサーチ:前期80.0億(+30.2%)→今期88.6億円(+10.7%)
パネル調査:前期118.2億(+3.9%)→今期129.2億円(+9.4%)
カスタムリサーチの伸び率が、前期に比べると鈍化しています。インターネット調査の伸びが思ったほどではなかったようです。たしかに、JMRAのデータ(→こちら)をみても、アドホックリサーチに占めるネット調査の売上構成比の伸びが鈍化していることが見て取れます。
一方で、パネル調査が伸びていますが、これはSRIという小売店パネル調査の寄与です。以前、このブログでも取り上げましたが、競合社であったニールセンが小売店パネル調査から撤退したことにより、約40社のクライアントがインテージへ切り替えたということです。
パネル調査は、クライアントが増えるほど利益率も上がりますので、説明会でも話されているとおり、安定的な経営基盤を確保できたといえそうです。
では、今後の戦略は?
リサーチ、システム、コンサルという3つのビジネス領域を収斂させ、
「工数提供型ビジネスモデル」から「価値提供型ビジネスモデル」へ転換
というのが、基本戦略のようです。正しい方向性だと思います。
「プラットフォーム」という概念を持ち出しているのも、さすがですね。(本来の意味と合っているかどうかは別にして、新しめのビジネス概念を取り入れているところが、「さすが」です。他の調査会社で、このような新しい概念を理解・活用できる会社が、どれくらいあるか・・・。)
今年は、上海に続きタイへも現地法人を設立するようですし、(TNSとgfkが合併すれば)期せずして世界ランキングも10位になりそうですので、日本におけるインテージの地歩は確固たるものになりそうです。
他のリサーチ会社(とくに、日本資本の独立系の調査会社)も、なんらかの手立てをうたないと・・・・・・・・・。
PS.
インテージではないですが、こんな↓リリースもありました。
YVIも着々と商品強化?
ヤフー・バリュー・インサイト、 アイスタイルと業務提携
~国内最大級の化粧品情報専門サイト @cosme会員を対象とした
マーケティングリサーチサービスを提供開始