日別アーカイブ: 2008-05-01

『マーケティング・リサーチ業界・新版』

マーケティング・リサーチ業界 新版―その仕事と働く人たち マーケティング・リサーチ業界 新版―その仕事と働く人たち
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-04

以前ご紹介した『マーケティング・リサーチ業界』の新版です。

内容をみると大きな変更はないようですが、データが最新のものに差し替えられていることと、インターネットリサーチや業界再編についての記述が現状にあわせて書き換えられています。
また、第3章「現場で働く人たち」の顔ぶれは一新され、ネット調査のマクロミル、外資系のIPSOS日本統計調査の方などがコメントしており、「いま」の業界の流れに沿っています。

前回の記事(こちら)でも書いたのですが、少しきれいにまとめられすぎ&将来の希望を持ちすぎでは?、という感じは否めないですが、リクルート本でもありますので、このあたりは大目に見ていただいて。。。
とはいえ、マーケティング・リサーチ業界、市場調査業界に興味がある人は、リサーチという仕事の雰囲気、リサーチャーに求められていることなどを、この本でしっかりと理解しておいていただきたいものです。

◆マーケティング・リサーチ業界売上ランキング
(最近、業界売上ランキングの検索が多いのですが。。。就職活動の影響?)

旧版と新版で、業界ランキングを比べておきましょう。

まずは、世界ランキング。
(順位は2006年、かっこは2001年順位。社名の*は、日本進出企業)

1位(1位):The Nielsen Company*
2位(2位):IMS Health*
3位(4位):Taylor Nelson Sofres*
4位(3位):The Kantar Group*
5位(6位):Gfk*
6位(8位):Ipsos Group *
7位(-):Synovate*
8位(5位):IRI
9位(10位):Westat
10位(-):Arbitron

このリストで順位を上げている企業は、多くが何らかの形で合併を行なった企業のようです。さらに、萬さんのコメントでは3位:TNSと5位:Gfkに合併の可能性もあるとか。。。
そして、世界上位7社の企業がすでに日本に進出しています。(このリスト外では、12位のJ.D.Power and Associates、13位のHarris Internationalも日本で営業を行なっています。)

では、日本でのマーケティング・リサーチ会社ランキング。
(「宣伝会議」推定、2006年。かっこは2001年順位。)。

1位(2位):インテージ
2位(1位):ビデオリサーチ
3位(3位):電通リサーチ
4位(-) :マクロミル
5位(5位):日経リサーチ
6位(6位):サーベイリサーチセンター
7位(-) :ジャパン・カンター・リサーチ
8位(-) :ヤフーバリューインサイト
9位(7位):日本リサーチセンター
10位(-):TNSインフォプラン

この中で、インテージは世界ランキング11位、ビデオリサーチは16位、電通リサーチ、日経リサーチ、マクロミルもトップ30位圏内にあります。
このリストをご覧頂くと一目瞭然、インターネットリサーチと外資系リサーチの躍進が目に付きます。日本資本&独立系で10位以内に踏ん張っているのは、インテージを別格とすると、SRCとNRCだけ。。。(そういえば、スミスがNTTデータグループの傘下に入っていたんですね、知らなかった。)
ここから、マーケティング・リサーチ業界が変革期(ほぼ終了?)にあることはお判りいただけると思います。