経営の美学―日本企業の新しい型と理を求めて 価格:¥ 1,995(税込) 発売日:2007-11 |
続けて、もう一冊。
こちらは、まさに「経営書」です。トップの心得レベルの話です。
なぜ、連投でこの本も紹介しようと思ったかというと、前の本(『マーケティング優良企業の条件』)で取り上げられている企業で、こちらの本でも取り上げられている企業が多いからです。
前の本は、マーケティングの現場の話でしたが、こちらの本をあわせて読んでいただくと、より背景の部分も理解できるのではないかと思って、連投でご紹介しています。
以前(まだ若かりし頃)、マーケや経営をやっている先生や実務家がお年を召してくると、「愛」とか「美」とか、かなり抽象度の高い話をし始めるのはなぜなんだろうと思っていました。
最近、なんとなくその気持ちがわかるようになってきました。(とくに、90年代後半から今にかけての、様々な企業の不祥事や栄枯盛衰等を見るにつけ・・・)
この本も、まさにこのようなテーマの本だといえます。(そんなに抽象度が高いわけではありませんが)
もくじを。
序章 価値創造の構造と基軸
第1章 価値創造を語る ~福原義春、小林陽太郎、井関利明
第2章 相対から絶対の競争へ ~坂田藤十郎+野中郁次郎、中谷巌、嶋口充輝
第3章 市場原理と人間原理の綜合 ~野中郁次郎、槍田松瑩
第4章 環境変化への柔軟かつ機敏な対応 ~竹内弘高、武藤信一、前田新造
第5章 社会に対する価値創造 ~伊藤邦雄、大星公二、寺島実郎
第6章 イノベーションへの情熱 ~宮田秀雄、米倉誠一郎、岩田彰一郎
第7章 価値創造の実践 ~岩沙弘道、藪土文夫、長島徹
第8章 価値創造のリーダーシップ
本書はフォーラムでの講演を元に書かれていますので、内容は思ったほど難解ではありません。むしろ、この手の本の中では、わかりやすい、読みやすい本ではないかと思います。
将来的に、いわゆる「上」を目指す方には、ぜひ本書は読んでいただければと。。。
やはり経営は、テクニックではなく、考え方・志だと思うんですよね。
「まえがき」から、本書のスタンスをご紹介しておきます。
未来の経営は、ますます量から質の経営に移行し、そこではかつてのような戦争型の相対競争時代から社会や顧客の価値を追求する絶対競争の時代になる。この絶対価値の創造と追求は、時代の進展とともに新しい形態となって出現するため、絶えざるイノベーションが不可欠になる。しかし、企業はそのイノベーションの実行においても、自らの経営の型を常に確認・精緻化し、市場原理と人間原理を統合・融合させながら永続性を追及する。ここにこそ未来の日本的経営の美学がある。