(8/20追記あり)
今週、マクロミルの決算発表と今後へ向けての新たな動きが発表されていました。
まずは、決算から(決算説明会資料は、↓でご確認ください)。
連結で売上高64億円(対前年+23.4%)、単体で売上高54億円(対前年+20.2%)。
いずれも2桁増で、着実に売上を拡大しているようですが、↓の記事をみると、計画に達していないということで、株価はストップ安とか・・・。
「調査会社」としてみれば、毎年着実に売上増を達成している(しかも2桁増)だけでも凄いと思うのですが、マーケットは評価してくれないんですね。。。他の調査会社で、毎年着実に売上増を達成している会社が、いくつあるのか?(上場するということは、こういうことなんですね・・・。確かに市場からの資金確保や信用面でのメリットは大きいですが、成長性を毎年確実に示していけないと、あっという間に市場から見放されてしまう。たいへんです。。。)
今後の活動方針については、「決算説明会資料」の17ページ以降に記されています。至極全うな内容で、あまり驚きはないですが・・・。
ところが、決算発表後に、↓のような発表がされているようです。日経でも記事になっていたようなので、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが。
何かというと、これまでニールセンが行なっていた「スキャントラック」というPOSデータ販売事業を、そのままマクロミルが買収したということのようです。いくらで買い受け、今後どれくらいの売上となるかは、未定とのことですが・・・。
実は、もうひとつ興味深いリリースもあります。こちらは、あまり報道されていないようですが。
商品購買調査サービスに関する共同展開についてのお知らせ(マクロミルIR情報TOPページ)
新サービスの開始に向けたシステム開発に関するお知らせ(マクロミルIR情報TOPページ)
これまで、東急エージェンシーが独自に行なっていた「QPR(家庭内スキャンパネル調査)」というシステムを、共同で開発・展開を行なっていくということ、そのために4000万円を投資しシステム開発を行なうということです。(こちらは、決算発表にも反映されていて、売上としては、来期で1億を見込んでいるようです。)
これまで、マクロミルはアドホック調査(=クライアントのテーマ・課題毎に調査を行う単発実施型の調査)を中心に行ってきましたが、この2つによって、データ販売型の事業の基盤を築くことができるようになったということです。それも、小売のデータであるPOSデータをニールセンから、消費の現場でのデータであるホームスキャンデータを東急エージェンシーと協同で、と売りと購入の両面を押さえているところが秀逸だと思います。
いまのところ、この両方のデータを扱っているのは、おそらくインテージだけだと思いますので(これまでは、ニールセンが対抗していましたが)、まさに両社が、がちんこで勝負を行なう状況になったともいえそうです。
【追記:2007.8.20】
ブルームバーグに解説記事があるのを見つけましたので、リンクを貼っておきます。
たしかに、ニールセンさんは採算が合わなかったので売却するんでしょうから、このような記事になるのもむべなるかな・・・。
そこは、マクロミルのシステム構築力&事業構想力でどのような展開にするのか?ですね。