調査データ分析の基礎―JGSSデータとオンライン集計の活用 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2007-03 |
「超入門!マーケティングリサーチ・ハンドブック」と一緒に購入したのが本書。
正直に言うと、統計は苦手です、何度勉強しても真の理解に辿り着けているのか自信がもてない・・・。けれど、マーケティング・リサーチをやっている以上、ここから逃げることもできないので、いつもわかりやすい本はないかと探しているのです。
で、本書ですが、大学生向けのテキストとして書かれた本です。それも、社会調査士資格認定機構が定めている標準カリキュラムに対応していると。
まだ、流し読みしかしていませんが、基礎統計の本としては、わかりやすいのではないかという印象があります。構成も、ポイントで例題が用意されていて理解を助けてくれますし、各章末には課題がありWEB上で答えを確認できるようになっているという工夫もされていますので、独学で基礎統計を学ぶには手ごろな本ではないでしょうか。
もくじは、つぎのように基礎統計を網羅したものになっています。
第1章 調査データとは何か
第2章 社会調査の手順
第3章 多様な分析の方向性
第4章 公開データの利用
第5章 度数分布表
第6章 グラフ
第7章 代表値とばらつき
第8章 複数回答の扱い方
第9章 2変数のクロス集計
第10章 関連性を表す統計量
第11章 3変数のクロス集計
第12章 統計的推定の考え方
第13章 統計的検定の考え方
第14章 独立性の検定と比率の差の検定
第15章 平均値に関する推定と検定
第16章 分散分析
第17章 回帰分析の基礎
第18章 回帰分析の応用と一般線形モデル
第19章 ロジスティック回帰分析
あと、巻末に学習用の文献紹介もありますので、さらに統計について理解したい人は、こちらの本を参考にしながら、学習を進めていくとよいでしょう。
(くどいようですが・・・)
前々のエントリーも、調査とは、統計とはを真に理解していないことから起こるのだと思います。
そもそも、調査・リサーチは何のためにやるのか?という理解がなされていない、あるいはおぼろげにわかっていても、調査・リサーチで得られたデータとは何なのか?が理解されていないのだと思います。
調査・リサーチは、「今回の調査対象者そのものについて知りたいのではなく、調査対象者を含む母集団についての傾向を知るためのもの」であり、そのためには「サンプリングや代表性」の概念を理解しないことにはどうしようもありません。
ただ、よく統計の先生がいうように、「無作為抽出を行っていないデータは使い物にならない」などというつもりはなく、概念としてサンプリングや代表性ということを知らないと、データを読むときに誤ってしまうということが言いたいのです(完全な無作為抽出で調査を行うなんてことは、極めて困難な時代ですから)。
このあたりを理解せずに、無手勝流でリサーチを行い、データを分析して、結果が伴わないからといって、「調査は使えない」などと言われても・・・。
マーケティング・リサーチをやりたい方、少なくても本書に書かれていることはマスターしましょう。