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『サスティナブルカンパニーの条件~持続的成長企業「インテージ」の挑戦』

サスティナブル・カンパニーの条件―持続的成長企業「インテージ」の挑戦 サスティナブル・カンパニーの条件―持続的成長企業「インテージ」の挑戦
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2007-03

ほんと、リサーチ会社についての企業本が出るとは想像していませんでした。
(なので、気付いたのが少し遅くなって、今頃のエントリーになっているのですが。)

リサーチ業界を題材に企業本を書いた著者はどんな方だろうと思って略歴を見ると・・・。
なんだ、社会調査研究所(インテージが社名変更を行う前の社名です)の出身の方じゃないですか。現社長の田下氏とも、お歳が近いようですし。ある意味、納得です。
(なんか、インテージさんの広報blogのようになってますよね・・・。でも全然関係ないんです、インテージさんとは。けれど、リサーチ業界でインテージさんを見ておかないと意味ないですし、また上場して企業情報を公開しているのがインテージさんとマクロミルさんだけなので、どうしてもこの2社の情報が中心になってしまうんですよね。。。)

で、内容。
正直に言わせてもらうと、そんなに面白くなかったです。。。(もしかしたら、私がリサーチ業界にどっぷり浸かっているからかもしれませんが。)
一応、インテージをケースとして「サスティナブル・カンパニー」の要件を抽出するということなのですが、ほとんどの部分がインテージの紹介に終始している感じで。
「インテージ」という企業そのものに興味がある方は、一度、目を通しておくのもいいでしょう。ただ、この本でリサーチ業界について理解しようとは思わないでください、この本に書かれていることは、あくまでも「インテージ」のことなので。

いつものように、もくじは紹介しておきましょう。

プロローグ 絶えず変革を求める会社がさらに変わるとき
第1章    危機感なくして持続的成長はない
第2章    新たな人材の登用が変革を加速する
第3章    本社移転がさらなる進化の契機に
第4章    ナンバーワン企業が歩んできた道のり
第5章    変革のDNAを共有する仲間たち
第6章    なぜ、この会社は持続的成長ができるのか

この本の中で、へ~と思ったことは、つぎの2つでした。
「INTAGE」という社名が、Intelligence+Ageからの造語だということ。そして、ESOMAR(マーケティングリサーチの国際団体)の2005年の国際カンファレンスで次のような趣旨の発表がされているということ。(以下は、本書からの引用ですが、確かに以前JMRAのホームページで見たことを思い出しました。今でも、JMRAのホームページで元本の抄録を読むことができます)

こうした状況下、戦略・ITコンサルティングファームと戦うために、マーケティング・リサーチ会社がなすべきことが見えてきた。レポートではその内容を以下のように指摘する。

一 戦略・ITコンサルティング力のいずれか一方、または両方を備えること。
二 戦略・ITコンサルティングファームとのパートナーシップを結ぶこと。
三 マーケティングデータを価値ある情報へと変えるビジネススキルを身につける必要性があると認識している人間を雇い入れるか、または自社でそのような教育を施すこと。

マーケティング・リサーチ会社は、それぞれが特定の市場をますます重点的に取り扱うようになってきており、その中で幅広いサービスを提供しているというのが実情だ。特定分野での経験や集積される知識はとても重要なものとなる。なぜならば、クライアントはマーケティング・リサーチ会社にデータ分析にもとづくインサイトの提供を期待しているからだ。
これによりリサーチャーのスキルも見直しを要求される。ダイナミックに変化するビジネス環境にあって、マーケティングデータを超えたインサイトや、そればかりかビジネス上の解決策まで求めるようになっているのだ。リサーチャーは「これまで」なにが起こったかを報告するよりも、むしろクライアントが「その先」を見据えられるように手助けすべき存在とならなければならないのである。

(日本でも、クライアントが「インサイトの提供を期待」しているかどうかは別にして)
やはり、これからのリサーチ会社の方向性は、このような事であり、自分が感じていたことは間違いではなかったのだなと思いました(そして、コメントをくれた萬さんの考え方も、一緒でしたし)。
早くから「インテリジェンス・プロバイダー」を目指したインテージは、この視点からも、やはり日本のリサーチ会社では、特別な存在といえるのかもしれませんね。

(で、そのインテージの決算説明会の様子がWEB上で見ることができます。インテージのIRページからご覧ください。もしかしたら、この本よりおもしろいかも。リサーチ業界の今とこれからを知るにも、いいかもしれません。ただし、45分ありますので時間のあるときにどうぞ。。。)

インフォプラント&インタースコープ合併へ

インフォプラントとインタースコープの合併が発表されていました(2007/5/10)。

ヤフー傘下のネット調査会社、インフォプラントとインタースコープが合併(nikkei BPnet)

インフォプラントとインタースコープが7月に合併–インフォプラントを存続会社に(CNET Japan)

ヤフー傘下のネット調査会社2社が合併(ITmedia)

それぞれの会社のニュースリリースは、こちら。

株式会社インタースコープとの合併に関する基本合意のお知らせ(インフォプラント)

株式会社インフォプラントとの合併に関する基本合意のお知らせ(インタースコープ)

すでに、blogで取り上げられている方たちは、こちら(素早いですね・・・)。

トゥーランとプログレのためのブログ

備忘録

IT業界トレンド通

このblogでも以前、「業界再編の予感・・・」でつぎのようにコメントしています。

ただ、よくわからないのは、子会社化してシナジーが得られるのかということ。Yahoo!単独でも、事業部として活動を行っているようですし、4社が並列に営業をしたり、システムを抱えていても無駄ではないかと。。。
それぞれの関係がどうなっているのかは、中にいないのでわかりませんが、1社に統合すればこそ、4社のパワーが発揮できるのではないかと思います。
Yahoo!のモニター構築・管理力と顧客基盤、インフォプラントのシステムとネットリサーチ先駆者としてのノウハウ、インタースコープの分析力、インテージのマーケティング・リサーチ理解力。(ただ、インテージはこのグループに入らなくても、単独で世界のマーケティング・リサーチ業界で11位ですが・・・)
とくに今回は、以前からHPを見ていて、研究・開発力に一目置いていたインタースコープだけに、今後このグループがどのような展開を見せるのか、注目してみていきたいです。

このコメントが少し現実化したということですね。

関連して、

インテージの決算資料も発表されています。

平成19年3月期決算短信(インテージ)

この中で、つぎのような記述があります。

当社グループが属しております情報サービス業界では、経済産業省の「特定サービス産業動態統計」によりますと、当連結会計年度の月々の売上状況はおおむね前年を上回る伸び率で推移しております。当社グループの主力事業分野であります市場調査業界でも社団法人日本マーケティング・リサーチ協会の「第31回経営業務統計実態調査」から、堅調な伸びが報告されております。特にインターネット調査の拡大が当市場を牽引している状況です。
このような市場環境のもと、当社グループは「Team INTAGE によるインテリジェンス・プロバイダー事業の実現」を目指し、ビジネスパートナーとしてのお客様満足度の向上に向けて努力してまいりました。当連結会計年度は「変革のスピードを上げよう-本当のたたかいは、これから始まる」を基本方針に掲げ、「カスタムリサーチ分野の構造変革とインターネット調査への資源集中の加速化」を最重点課題としました。また、パネル調査分野のソリューション型ビジネスへのシフト推進、personal eye(個人消費者パネル調査)やRep Track(MR訪問実態調査サービス)等の新商品の成長促進、融合ソリューションの拡大、CRO(医薬品開発業務受託機関)業務の持続的成長の基盤再構築、トータルヘルスケア分野の積極投資に取り組んでまいりました。

高らかな「インターネット調査シフト宣言」です・・・。

では、インターネット調査のトップ企業であるマクロミルはどうかというと・・・。

平成19年6月期中間決算説明会資料(マクロミル)

売上・利益ともに着々と上昇、またクライアント構成もこれまでの代理店/調査会社/コンサル会社依存から一般事業会社比率の上昇へ(50%超)と、地保を固めているようです。
とくに注目したいのが、この資料の6ページ「サービス別売上構成比の推移」です。構成比こそ、まだ10%前後であるものの「分析」と「グローバルリサーチ」の対前年伸び率が大きいことです。

これまでは、ともするとインターネットリサーチ会社は、データ収集は強いが集計・分析は弱いとされてきました。しかし、これまでみてきた3つの会社の事例をみると、インターネット調査でも「集計・分析力」がこれからの競争ポイントになるであろうことは予想できます。
調査票設計力や集計・分析力で、ネット調査会社との差別化を図ってきた従来の調査会社は、この環境の中でどのような戦略を描くのでしょうか・・・。
ネット調査シフトが明らかな中で、従来調査に依存しているばかりではジリ貧は目に見えているでしょうし、とはいえネット調査インフラでの競争力では、先行ネット調査会社に太刀打ちできるとも思えないですし・・・。だからといって、合従連衡して力を合わせるという機動力もなさそうですし・・・。

さらに、設計力と集計・分析力に磨きをかける、それしかないでしょうか???

これからも、リサーチ業界の動きはウオッチしていきたいと思います。

PS.
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統計調査の民間開放・市場化テストに関する研究会

総務省の「統計調査の民間開放・市場化テストに関する研究会」で、最終報告が出されているようです(HPはこちらです↓)。

http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/minkan/kenkyu.htm

「民間でできることは民間で」という方針の下で、総務省所管の調査のうち民間開放ができるものはないかということで、いくつかの市場化テストが行われていました。
結論としては、「できるところからやりましょう」ということだと思います。

ただ、議論の過程や市場化テストの結果などをみると、いまの日本の「市場調査」についての様々な課題が透けて見えます。。。

最終報告書は、結構長い文章なのですが、どのような議論やテストが行われ、市場調査の課題がどこら辺にあるのかを確認するには貴重な資料だと思いますので、一度目を通されてはいかがでしょうか?
(最終報告書は、こちらです↓)

http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/minkan/houdou4.htm

私自身、気になった文章や表現もいくつかありましたが、国・都道府県が実施していたときに比べ、民間で実施した場合は、回収率や記入内容にいくつかの問題が見られたという点は、とくに気になりました。
WEB調査全盛のいま、マーケティング・リサーチを主業務としている調査会社では、従来のような訪問面接調査を行う機会自体がかなり減少しています。結果として、統計理論に基づく実査ノウハウを持った管理者や調査員が減少しつつあり、そのことがこのような事態をもたらしているのではと思いました。
クライアントの要請もあるでしょうから、WEB調査にシフトしていくこと自体に、とやかくいうつもりはありませんが、だからといって、調査理論を理解しているリサーチャーや調査員が調査会社からも減少していくことにならないのか、それがほんとうにマーケティング・リサーチ全体にとっていいことなのかと・・・。
(う~ん・・・、こう書くと理論至上主義の先生のように見えますね。。。
そうではなくて、現実にあわせた応用を行うにも理論の裏づけがないとできないのでは、ということがいいたいのです。理解していただけますでしょうか?・・・)

こういう視点からも、「統計調査の民間開放」というのは意義のあることなのかもしれませんね。調査会社の劣化を一部にせよ、防ぎうるということで。

報告書の最後にあげられている「今後の課題」からポイントを抜粋して、終わりにします。

第一に、経験や業務遂行能力のある民間事業者が増加していくことの必要性が挙げられる。(中略)
このような状況の下で民間開放を進めていくためには、経験や業務遂行能力のある民間事業者が、現在よりも増加していくことが必要となる。その意味では、統計の正確性、信頼性の維持・向上等を前提とした上で、民間事業者に対して調査実施に関わる機会を与え経験の蓄積を促していくことは、適格な民間事業者が増加し統計調査の実施業務に関わる市場が成熟していくためのステップとしても有意義なものと考えられる。

第二に、統計調査員の在り方と民間開放との関係についても、更なる整理が必要である。

さらに、統計調査を円滑かつ適切に行うためには、調査対象者の理解と協力が不可欠であり、今回の取組を契機として、民間開放の趣旨に加え、統計の意義や重要性について改めて国民に理解されるよう、より一層の広報を適切に行っていくことも重要である。

もうひとつだけ、クライアントとなるリサーチ発注者の方たちに、とくに読んでおいていただきたい文章がありました。これで、ほんとの最後にします。
(ただ、調査会社もどれだけ合理化努力を行っているのかという、一方の課題があることも認識はしてますので。)

3) 結果精度確保のためのコスト
試験調査の各受託事業者が指摘しているように、調査対象から調査の趣旨に理解を得て、調査に協力を得る業務は決して容易ではない。民間事業者がこうした業務を遂行し得る能力、経験と熱意を有する調査員や指導者等を確保するには、一定のコストが必要となる。また、調査の詳細を理解し指示を出すことができる専任スタッフを確保するなどの業務管理体制の確立も、一定のコストを要する。
試験調査の目的上、ヒアリングへの協力や報告書作成の事務経費をも必要としたこと等に留意する必要はあるが、試験調査Bにおける各受託事業者のいずれも、今回の落札金額のみでは実施経費をカバーしきれなかったとしていること、試験調査Bの受託事業者の中で、他に比べて特に安価な金額で落札した広島の受託事業者において記入状況の質の不十分さ等が最も著しかったことなどの事実は、コスト面の効率化のみを追求すべきではなく質の維持・向上との両立を図ることの重要性を示唆している。入札に際して実施経費を見積もるに当たっても、こういった点を考慮する必要があると考えられる。

世界のリサーチ企業ランキング

世界での、リサーチ企業売上高ランキング(2005年時点)が、JMRAのホームページにありましたので、参考までにリンクしておきます。

世界売上高トップ企業25(2005)

興味のある方は、こちらを参照してください。

【追記:2007/2/7】

このリストをみて、「ニールセン」がない、と思われた方がいらっしゃると思います。
ニールセンは、トップのVNUグループが買収していたので、ランキングには出てこなかったのです。
ところが今年、VNU社が社名を「Nielsen」に変更していたようです。
VNUといわれてもどんな企業?と思いますが、Nielsenといえばリサーチ会社としてのブランド力は高いですから(世界的にも、そうだったということのようです)。
リリースは、こちら↓を参照してください(英語です)。

VNU Changing Name To The Nielsen Company

(この追記は、Survey MLの萩原さんの投稿<2007/2/7>を参照させていただいています。)

【追記2:2008/5/1】

2006年のランキングを、こちらの記事に投稿しています。

業界再編の予感・・・

このblogでも、何度かマーケティング・リサーチ業界は再編すべきではないかというような事を書いてきましたが、ここにきてその予兆が、かなり現実的なものになってきたといえそうです。
(かなり長いエントリーですが、業界再編論については、こちらをご覧ください。)

■予兆その1

本日(2007年1月24日)、Yahoo!(ヤフー)社から、つぎのようなリリースが発表されています。

株式会社インタースコープの株式の取得(子会社化)に関する基本合意について

Yahoo!社は、すでに一昨年、インフォプラントの株式も取得しています。

株式会社インフォプラントの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

さらに、その前(2002年)には業界最大手のインテージと、新会社を設立しています。

Yahoo! JAPANがインターネットリサーチ事業の新会社「インテージ・インタラクティブ」を設立

さすがYahoo!社というべきでしょうか、機を見るに敏、疾(はや)きこと風の如し。

ただ、よくわからないのは、子会社化してシナジーが得られるのかということ。Yahoo!単独でも、事業部として活動を行っているようですし、4社が並列に営業をしたり、システムを抱えていても無駄ではないかと。。。
それぞれの関係がどうなっているのかは、中にいないのでわかりませんが、1社に統合すればこそ、4社のパワーが発揮できるのではないかと思います。
Yahoo!のモニター構築・管理力と顧客基盤、インフォプラントのシステムとネットリサーチ先駆者としてのノウハウ、インタースコープの分析力、インテージのマーケティング・リサーチ理解力。(ただ、インテージはこのグループに入らなくても、単独で世界のマーケティング・リサーチ業界で11位ですが・・・)

とくに今回は、以前からHPを見ていて、研究・開発力に一目置いていたインタースコープだけに、今後このグループがどのような展開を見せるのか、注目してみていきたいです。

■予兆その2

「その1」は、インターネット・リサーチ業界主導の再編ですが、そういえば海外主導の再編もあったなと思い、リサーチ・インターナショナルになったのはいつ頃だったかを確認するためにHPに行ってみたら、つぎのようなリリースがありました。

Research International in Japan becomes part of Japan Kantar Research

少し前には、やはり世界的なリサーチ会社であるテイラー・ネルソンも、こんなリリースを。

TNSとインフォプラン、合併に合意

また、少し古くなりますが、2005年には日本での古くからのリサーチ会社であった日本統計調査社も。これは、結構衝撃的でした。

IPSOS グループへの参加について

世界トップ10のリサーチ企業で、日本に参入していない会社があるかどうか・・・。
ここらへんの事情はあまり詳しくないのですが、やはりクライアントのグローバル化と相俟って、国際的なリサーチ業界の再編もまったなしというところのようです。
(すでに、終わっているのか?)

■考察・・・

このように、マーケティング・リサーチ業界は、確実に再編の過程にあるといえそうです。
その主導権を握っているのは、インターネットリサーチ会社と外資系リサーチ会社。

おそらく今後、日本での業界TOP10は、断トツ1位のインテージ、インターネットリサーチの雄・マクロミルとYahoo!グループ(ただ合計売上とはならないので、ランキングには上がってこないと思います)、外資系リサーチ会社グループのカンター、TNS、ACニールセン(業界団体に加盟していないので正確な売上はわかりませんが)、IPSOS、そして親会社のしっかりしているビデオリサーチ、電通リサーチ、日経リサーチということになるのでしょう。。。

対して、民族系(日本資本という意味)・独立系・非装置系のリサーチ会社は、どのような戦略を描くのか・・・。
クライアントにしてみれば、調査手法によってリサーチ会社を使い分けるのではなく、一社に大半のリサーチを任せることのできる実査力・技術力を持ち、コンサル的な機能をも果たしてくれる日本資本の総合マーケティング・リサーチ会社も望んでいると思うのですが。リサーチの実施には、クライアント理解力も重要な要素ですので、真のパートナーとなり得る会社を望んでいると思うのです。
それに、資本力。上記のTOP10企業の資本力との差を考えると、現状のままでは、新たな手法・分析研究や、海外展開(とくにアジア)、さらに進むリサーチのIT化へ対応する資金、人材・・・、どれをみても差をつけられるばかりになるのではと思います。
ここはひとつ、合従連衡して、「日本資本の総合マーケティング・リサーチ会社」を目指す動きにならないだろうかと期待(妄想?)しています。
(ただこの際、ネットリサーチ会社も巻き込まないと、意味ないですが。)

民族系・独立系・非装置系のリサーチ会社が取りうる、もうひとつの選択肢も、あるにはあります。実は、こちらの方が現実的ですが。
おそらく、マクロミル、Yahoo!がつぎに考えるのは既存の調査手法をベースとした会社の買収・連携だと思うのです。そうすることで、リサーチノウハウを手に入れ、総合リサーチ会社として飛躍できますから。
また、海外資本のリサーチ会社にしても、まだまだ規模を拡大していく志向もあるかもしれません。
自ら動くことなく、このような流れ(買収?)に身を任せていれば、ある意味、安泰でもあります。(彼らの選択肢に入れば、ですが。)
ただ、この時に、1970年前後から培ってきた各社のリサーチに対する知見やノウハウが、どの程度、顧みられるのか。経営を支配できるのは、当然、買収する側ですから。
この点に、一抹の不安がないではありません。。。

(「考察」に関しては、執筆者個人の私見であることをお断りしておきます。)

追記(2007.1.26):
『マーケティング千日回峰』さんのblogでも、少し異なる視点からエントリーされています。
こちらもご参考ください。

⇒ 『ネット調査業界再編か』