インフォプラントとインタースコープの合併が発表されていました(2007/5/10)。
ヤフー傘下のネット調査会社、インフォプラントとインタースコープが合併(nikkei BPnet)
それぞれの会社のニュースリリースは、こちら。
すでに、blogで取り上げられている方たちは、こちら(素早いですね・・・)。
このblogでも以前、「業界再編の予感・・・」でつぎのようにコメントしています。
ただ、よくわからないのは、子会社化してシナジーが得られるのかということ。Yahoo!単独でも、事業部として活動を行っているようですし、4社が並列に営業をしたり、システムを抱えていても無駄ではないかと。。。
それぞれの関係がどうなっているのかは、中にいないのでわかりませんが、1社に統合すればこそ、4社のパワーが発揮できるのではないかと思います。
Yahoo!のモニター構築・管理力と顧客基盤、インフォプラントのシステムとネットリサーチ先駆者としてのノウハウ、インタースコープの分析力、インテージのマーケティング・リサーチ理解力。(ただ、インテージはこのグループに入らなくても、単独で世界のマーケティング・リサーチ業界で11位ですが・・・)
とくに今回は、以前からHPを見ていて、研究・開発力に一目置いていたインタースコープだけに、今後このグループがどのような展開を見せるのか、注目してみていきたいです。
このコメントが少し現実化したということですね。
関連して、
インテージの決算資料も発表されています。
この中で、つぎのような記述があります。
当社グループが属しております情報サービス業界では、経済産業省の「特定サービス産業動態統計」によりますと、当連結会計年度の月々の売上状況はおおむね前年を上回る伸び率で推移しております。当社グループの主力事業分野であります市場調査業界でも社団法人日本マーケティング・リサーチ協会の「第31回経営業務統計実態調査」から、堅調な伸びが報告されております。特にインターネット調査の拡大が当市場を牽引している状況です。
このような市場環境のもと、当社グループは「Team INTAGE によるインテリジェンス・プロバイダー事業の実現」を目指し、ビジネスパートナーとしてのお客様満足度の向上に向けて努力してまいりました。当連結会計年度は「変革のスピードを上げよう-本当のたたかいは、これから始まる」を基本方針に掲げ、「カスタムリサーチ分野の構造変革とインターネット調査への資源集中の加速化」を最重点課題としました。また、パネル調査分野のソリューション型ビジネスへのシフト推進、personal eye(個人消費者パネル調査)やRep Track(MR訪問実態調査サービス)等の新商品の成長促進、融合ソリューションの拡大、CRO(医薬品開発業務受託機関)業務の持続的成長の基盤再構築、トータルヘルスケア分野の積極投資に取り組んでまいりました。
高らかな「インターネット調査シフト宣言」です・・・。
では、インターネット調査のトップ企業であるマクロミルはどうかというと・・・。
売上・利益ともに着々と上昇、またクライアント構成もこれまでの代理店/調査会社/コンサル会社依存から一般事業会社比率の上昇へ(50%超)と、地保を固めているようです。
とくに注目したいのが、この資料の6ページ「サービス別売上構成比の推移」です。構成比こそ、まだ10%前後であるものの「分析」と「グローバルリサーチ」の対前年伸び率が大きいことです。
これまでは、ともするとインターネットリサーチ会社は、データ収集は強いが集計・分析は弱いとされてきました。しかし、これまでみてきた3つの会社の事例をみると、インターネット調査でも「集計・分析力」がこれからの競争ポイントになるであろうことは予想できます。
調査票設計力や集計・分析力で、ネット調査会社との差別化を図ってきた従来の調査会社は、この環境の中でどのような戦略を描くのでしょうか・・・。
ネット調査シフトが明らかな中で、従来調査に依存しているばかりではジリ貧は目に見えているでしょうし、とはいえネット調査インフラでの競争力では、先行ネット調査会社に太刀打ちできるとも思えないですし・・・。だからといって、合従連衡して力を合わせるという機動力もなさそうですし・・・。
さらに、設計力と集計・分析力に磨きをかける、それしかないでしょうか???
これからも、リサーチ業界の動きはウオッチしていきたいと思います。
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