「リサーチ」や「調査」ほど、ほんとうは私たちの生活に大きな影響を与えていながら、反面、きちんと理解されていないものはないのではないか?
これが、このblogをはじめるきっかけです。
誰でも一度は、「アンケート」を行ったり、回答したことがあると思います。また、新聞やテレビ、雑誌、WEB上には様々なデータや調査の結果が、毎日といってもいいほど掲載されています。しかし、約20年にわたってマーケティングリサーチの実務に携わっている身からすると、「これでいいの?」という内容のものが少なくありません。
また、実務を通じて接してきたクライアント、とくに40代以上の方々からも、「最近、調査についてきちんと理解している人が少なくなった」という話をお聞きします。調査会社に身を置いた経験からも、確かにリサーチについての知識、さらにいえばリサーチに対しての認識自体がかなり甘いものになっているのではないかと感じています(一般企業に限ったことではありません。調査会社においてさえも、です・・・)。
さらに、マーケティング・リサーチは企業ばかりではなく、商品やサービスを購入する人すべてに寄与するはずのものなのに、“調査”という言葉のためか、「あやしい・・・」「怖い・・・」「あとでセールスをされるのでは・・・」「協力する理由がない」といった反応をする人も多く、調査に協力してくれる人を探すのもたいへんな状況にあります。個人情報保護法の施行以来、この傾向は強まるばかりです(国勢調査ですら・・・)。
このままでは、企業(非営利団体や行政機関等も含め)と生活者を繋ぐマーケティング・リサーチは機能不全に陥るのではないか、そんな危惧を抱いています。リサーチの実施者、そして適切なリサーチによって、より豊かな生活を実現できるはずの生活者にとっても不幸なことだと思います。ところが、リサーチをわかりやすく伝える本や記事、HP、blogはあまりにも少ないと感じています。
そこで・・・、
「マーケティング・リサーチの寺子屋」をはじめます。
日々の業務でリサーチを必要とする人にとっては、教科書的な知識はもちろんですが、20年の実務から得た経験を加えながら、できるだけわかりやすく、実務に使える内容に。
また、リサーチを業務としない人にとっても、リサーチが大切な機能を担っていること、一方でデータの怖さをわかってもらい、データを読み解くことができるように。
構成は大きく3本。
- マーケティングの寺子屋
マーケティングリサーチ、市場調査について、問答形式でノウハウをお伝えします。
教科書的にリサーチの知識やノウハウを伝えるのではなく、会話形式での読みやすさ、わかりやすさに主眼をおきます。
- 書籍紹介
広くマーケティングリサーチに関する本を紹介していきます。できるだけ新しいものを紹介していきますが、テーマにあわせ必要と思うものは新刊にかかわらず紹介します。
- 巷の調査
メディアにとりあげられたデータや調査結果を、リサーチ実務家の視点から紹介します。事例をふまえながら、リサーチについて学べる内容にしたいと思います。
とりあえずは、この3つのテーマで進めますが、内容は柔軟に。
アクセスアップのための内容も織り交ぜつつ・・・。
では、開校です。