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「イノベーションノためのエスノグラフィ」(読売ADリポートOJO)

いまのところのビジネスエスノグラフィのまとめとして良記事だと思うので、とりいそぎの紹介。

「イノベーションノためのエスノグラフィ」(読売ADリポート『OJO』:2010.10.11)

総括的な整理を博報堂の田村大氏が行ない、他にいくつかの事例的な紹介という構成。

ビジネス・エスノグラフィーがイノベーティブな組織をつくる博報堂 イノベーション・ラボ 上席研究員 田村 大 氏

運動会の定点観測が生んだ「瞬足」の画期的コンセプト
アキレス シューズ事業部商品企画開発本部 副本部長 津端 裕 氏

現場の徹底観察からソリューションを生み出す
大阪ガス行動観察研究所 所長 松波晴人 氏

組織・業務の課題を可視化 コーポレート・エスノグラフィー
富士通 フィールド・イノベーション本部 FI技術センター センター長 岸本孝治 氏

新聞の読まれ方を観察する新聞版エスノグラフィーの試み

エスノグラフィについては、さまざまなところで、さまざまなことが言われていますが、個人的には田村さんの考え方やスタンスがもっとも共感でき、納得のいくものだと思っています。
それは、この特集でも語られているような「客観的な真実はない」「客観的事実と思っているのは解釈の問題」「集めた情報を現場の文脈から切り離した瞬間に、その情報は無価値になる」というような点においてです。
このようなスタンスに立てるのか、理解できるのか、によってエスノグラフィのもつ価値は異なってくるように思います。

とはいえ、こうやって文脈から切り離したフレーズを取り出すこと自体が、あやまった解釈を皆さんに与えることにもなると思うので、ぜひ上記の特集を読み込んでみてください。
最初にも書いたとおり、いまのところのビジネスエスノグラフィのまとめとして良記事だと思いますので。