購買心理を読み解く統計学―実例で見る心理・調査データ解析28 価格:¥ 2,100(税込) 発売日:2006-06 |
統計学つながりで、もう一冊。
回帰分析、因子分析、クラスター分析、コレポン(コレスポンデンス分析)あたりが、マーケティングで使われる多変量解析の四天王だと思うのですが、他にも多変量解析の手法はいっぱいあります。「ほんとうは、こんなことが知りたいんだけど・・・」「課題を明らかにするもっと適切な手法はないだろうか」ということを考えたことのある方には、お勧めの本です。
表紙の紹介文を引用してみます。
企業や商品の「ブランド力」、お客さんの潜在的な「好み」、価格とニーズのバランス・・・
多種多様なデータをいくら集められても、それだけでは直接測ることのできない、いろいろな「買いたいココロ」があります。そのココロを、心理統計学+マーケティング・サイエンスの第一人者が、具体的な事例から幅広く役に立つ28の最新分析法をもとに、魅力的に解き明かします。
元々は、雑誌「プレジデント」に連載されていたものですので、読んでわかりにくいことはないと思いますが、この本を読んだからといって、すぐに解析ができるというものでもありません。「この解析手法を使うと、こんなことがわかるんですよ」という道案内をしてくれている本です。さらに、各解析手法の最後には、手法を実際に行うためのソフトウエアと参考図書が紹介されていますので、そちらを参照すれば興味をもった手法について、さらに詳しく知ることができるようになっています。
(ただし、参考図書を読むには、それなりの統計知識が求めまれますが・・・)
いくつかの手法を、タイトル見出しと一緒に紹介します。
第1章 目に見えない「好み」やニーズを読み解く
・構造方程式モデリング~見えない「ブランド力」の測定法 (他4手法)
第2章 「買いたいココロ」、その行動ルールを読み解く
・決定木~「もう一度買いたい」その理由のありかを探す (他4手法)
第3章 複雑な要因から、決定を下す根拠を読み解く
・AHP~「決められない問題」を優先順位から評価する (他5手法)
第4章 グループ化&マッピングで、関係性を読み解く
・多次元尺度法~心の中の「商品間のキョリ」の測定法 (他5手法)
第5章 どのくらい正確か、判断の信頼性を読み解く
・時系列分析~時季変動の予測から、リスク最小かつ利益最大に (他5手法)
この本を読んで、どのような解析手法があるかを知る、そして調査会社に「こんな手法があるみたいなんだけど、できる?」と問い合わせてみるのが、この本の一番の利用方法かもしれません・・・。
(そして、この質問への調査会社の応答が、調査会社を判断するひとつの指標にもなるかもしれません・・・。「なんですか、それ?」では、心もとないですよね?少なくとも、「聞いたことがあります、調べてみます。」くらいでないと。)