日別アーカイブ: 2011年9月3日

リサーチ手法のポジショニング

前回のエントリー( 「ソーシャルメディアとリサーチ」 )のあと、Survey ML 萩原さんにつぎのようなコメントをいただきました。

ソーシャルリスニングを<構成的-非構成的>、MROCを<独立性-関係性>というリサーチ業界の言葉で明快に整理した論考

はい、おっしゃるとおりです。
実は、この2軸でリサーチ手法をポジショニングできないかと考えていました。もうひとつ、しっくりくるものにならなかったので、前回はチャートにするのをあきらめていました。

しかし、前回のエントリー後のここ一両日で、関連する雑誌やblogを立て続けに読むことに(セレンディピティでしょうか・・・)。それは、以下の3つです。

『宣伝会議』最新号(2011/9/1号)、第3特集「消費者の声を聞く 革新的リサーチの導入方法」

宣伝会議2011年9月1日号 NO.820

  • 注目集める次世代リサーチ手法――トランスコスモス/マクロミル 萩原雅之
  • リスニング、MROCに高い関心――MROCジャパン 岸川茂
  • 企業のマーケティングリサーチ活用――日産自動車、キリンホールディングス
  • 対談:ソーシャルメディア活用でマーケティングリサーチはどう変わるか――ホットリンク 内山幸樹×GMOリサーチ 細川慎一

『マーケティングリサーチャー』最新号(NO.115)、特集「インタビュー調査 再考」

『マーケティングリサーチャー』最新号(NO.115)

  • 定性調査の調査機関およびリサーチ・ユーザーにおける実態
  • インタビュー調査の現状と課題~リサーチ・ユーザーの生の声を通して考える
    株式会社ジュピターテレコム/株式会社電通/日本たばこ産業株式会社/ライオン株式会社/富士通株式会社/株式会社博報堂/アサヒビール株式会社/株式会社カネボウ化粧品
  • 〈考察〉 それぞれの立場から

blog 『えとじやブログ~ひねくれマーケッターのひとりごと』より、つぎのエントリー

「実はとっても難しいグループインタビュー -調査方法の選択」
(『えとじやブログ~ひねくれマーケッターのひとりごと』:2011/5/19)

“今日は目的に合った調査をしましょう、よく使われるグルインですが実はなかなか難しいんですよ、というお話でした。”

そして、これらに刺激を受けて整理したMAPは、こちら ↓ です。
(それぞれの軸の意味性については、前回のエントリー の後半を読んでいただくと、わかると思います)

 20110903リサーチchart

 

 

※Panel Data:視聴率データやPOSスキャニングデータなど
※Life Log Data:行動履歴データ(アクセスデータ、GPSデータなど)

ポイントは、「量的-質的」という軸を使わないことでした。この軸が、リサーチ手法を分類する基本中の基本なのはわかるのですが、Survey や Interview 以外のデータ収集方法がいろいろと実用化されるにつれ、この軸以外の整理軸が必要だとぼんやりと考えるようになりました。そして、いま時点での結果が、このMAPです。
ポジションニングのために単純化しているので、もちろん、いろいろと疑問や反論は出てくると思います。(たとえば、ホットリンクの内山さんは「ソーシャルリスニングは、検証にも使える」とおっしゃると思いますし、ベテランのモデレータさんは「グルインを構成的に使うことはあり得ない」、データ解析系の方は「アクセスlogデータは、検証的にも使う」、などなど)
が、いくつかの問題点には目を瞑り、いまのところのまとめとして、ご紹介しておきたいと思います。

そして、このMAPを通じて伝えたいと思ったことは、先に紹介した記事でも、みなさんがほぼ同様に書いていたことと一緒です。それは、

  • リサーチの目的(チャートでの吹きだし)に沿った、データ収集の手法を選ぼう
  • リサーチ手法はひとつだけでなく、目的にあわせて組み合わせよう
  • そして、よりよい仮説づくりと検証から、よりビジネスに活かせるリサーチをめざそう

ということです。

一昔前の Survey と Interview を理解していればいい、という時代ではもうないのかもしれません。だからといって、これらの手法が古くて、新しい手法に切り替えなければならない、という訳でもありません。
それぞれの手法のメリット・デメリットを理解し、合目的的に、そして効果的にリサーチをデザインすることも、これからのリサーチャーにとってはより重要な役割であり、それがビジネスに有効なアウトプットに結びつくのだと思います。

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