月別アーカイブ: 2010年2月

『マーケティングを学ぶ』『ビューティフルカンパニー』『マーケティング・アンビジョン思考』

紹介しなくてはと思いながら、いままで紹介してなかった3冊を、ここで。

1冊目は石井淳蔵先生による、わりと最近のこちらの本 ↓ 。

マーケティングを学ぶ (ちくま新書) マーケティングを学ぶ (ちくま新書)
価格:¥ 945(税込)
発売日:2010-01-10

「マーケティングを学ぶ」とはいいながら、入門者向けの本ではありませんので、ご注意を。
むしろ、マーケティングマネージャー、あるいは現場で数年の経験を積んだマーケターが読むべき本ではないでしょうか。基本的なテーマは、マーケティングマネジメントなので。

それは、もくじを見てもらえば一目瞭然ですし、このもくじを見ると石井先生の主張も見えてくると思います。(そのために、少し細かなレベルで紹介しておきます)

序章 マーケティング・マネジメントを求めて
第1部 市場志向の戦略づくり
 第1章 生活者に向き合う
 第2章 市場を細分化し、ターゲットを定め、ポジションを獲得する
 第3章 顧客関係の深化に向けて事業を再定義する
 第4章 ポジショニングを先行させる
 第5章 第1部のまとめ:市場志向の戦略を立てる
第2部 戦略志向の組織体制づくり
 第6章 コーポレート・ブランドを経営する
 第7章 製品分野別に経営する
 第8章 ポジショニングを通じてブランド・エクイティを確立する
 第9章 ブランドを拡張する
 第10章 市場カテゴリーとブランドの絆を作る
 第11章 第2部のまとめ:戦略体制を確立する
第3部 顧客との接点のマネジメント
 第12章 ブランド・コミュニケーションをマネジメントする
 第13章 ブランド・エクイティの成長をマネジメントする
 第14章 ブランド・エクイティに基づいて企業を経営する
 第15章 営業プロセスをマネジメントする
 第16章 チャネルをマネジメントする
 第17章 第3部のまとめ:顧客関係をマネジメントする
第4部 組織の情報リテラシーを確立する
 第18章 市場調査情報を使いこなす
 第19章 営業情報を使いこなす
 第20章 お客様の問い合わせ情報を使いこなす
 第21章 第4部のまとめ:組織の情報リテラシー
終章 コマーシャル・イノベーションに向かって

著者の言葉を借りると、

本書は、<創造的適応>というそうしたマーケティングの基本論理を念頭に置きながら、市場や組織に向けて企業が考える戦略やマネジメントを、具体的なケースを通してわかりやすく読み解こうとするものです。21世紀に入り、ますます複雑さを増し、流れが早くなる環境にある企業にとって、創造的適応の姿勢はますます重要になると思います。(p.311)

ここにあるとおり、各章は“テーマ>ケース>まとめ”という構成をとっており、読みやすい内容になっています。
ただ、ケースは読みやすいのでわかった気になりがちですが、やはりマーケティグの基本を理解していないと正しい理解はできないと思いますので、まずはマーケティングの基本を理解した上で、本書に進んだ方がいいかと思います。
その上で本書を読むと、理論と現場の結びつきが理解できるようになるのでは?

とはいえ、なぜか新書なんですよね、この本。
なので、とりあえずこの本から読んでみて、マーケティングに興味を持ってもらうというのも、ありなのかもしれませんね、肩肘を張らずに。

2冊目の本は、少し前に出版された、嶋口充輝先生のこの本 ↓ 。

ビューティフル・カンパニー 市場発の経営戦略 ビューティフル・カンパニー 市場発の経営戦略
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-10-17

石井先生の本は、どちらかというと戦術レベルでの内容だったとすると、嶋口先生のこの本はもう一段上の戦略レベル、あるいは理念レベルの内容ということができるかもしれません。

実は、つい先日、twitter上で「マーケティングは戦争か」ということについての議論が行われていました。その時に、SurveyMLの萩原さんが嶋口先生のネット上の記事を紹介してくださり、この本を思い出しました。
(萩原さんが紹介した記事は、こちらです ↓ )

特集「見えない顧客ニーズをつかむ組織の作り方」
(読売ISコミュニケーションマガジン「ペリジーvol.6」2009年1月号)

本書の中でも、「戦争型の競争から恋愛型の競争の変化へ」と題して、つぎのように述べています。

大きな変化の一つは、それまでの市場シェアをベースにした「戦争型の競争」のウエイトがだんだんと小さくなって、それに代わって「恋愛型の競争」が重視されてきたことだ。どういうことかと言うと、競合他社との相対的な競争ではなく、顧客価値を高めるという絶対的な競争にそのウエイトが移ってきたのである。(p.46)

このような環境の元での、「必要なアンビジョン、仕組み革命、マーケティング・マッスル、顧客主義と顧客との関係性などについてもその考え方を紹介していきたいと思う」(p.4)ということで書かれたのが本書です。

もくじは、つぎのように。

第1章 マーケティングの持つ本来の意味とは
 第1節 アンビジョンという名の戦略
 第2節 マーケティングは企業経営の根幹機能
第2章 ビューティフル・カンパニーの条件
 第1節 仕組み革新の時代への対応
 第2節 マーケティング・マッスルという組織づくり
 第3節 ビューティフル・カンパニーという価値軸
第3章 関係性マーケティグと先客万来のシステム
 第1節 恋愛競争の時代におけるロイヤル・カスタマーの創造
 第2節 関係型ソリューションを売る金融マーケティング
 第3節 お得意様をもてなす、千客万来の仕組みづくり
第4章 顧客満足の追求とコーポレート・ガバナンス
 第1節 社外取締役に求められるもの
 第2節 企業理念、CREDOと呼ばれる羅針盤の意義
 第3節 顧客満足とコーポレート・ガバナンス
 第4節 クレームをガバナンスに生かす
第5章 揺らぎ始めたモノ主導型マーケティング
 第1節 サービス・ドミナント・ロジックという概念
 第2節 品質に関するパラダイム・チェインジの必要性

ある雑誌でのインタビュー記事を元に構成した本のようで、とても読みやすい内容になっています。

さて、以上の2冊の本。
いずれも、これまでの両先生の研究のエッセンスをまとめたような内容で、さらにとても読みやすいという特徴も共通です。
論文書や理論書ではなかなか取っ付きにくいかもしれないですが、この2冊でしたらあまり抵抗なく読めるのではないかと思って紹介しました。
とくに、マーケティングの基本を学びながらも、時代の変化(パラダイムシフトとも言われますね)の中で、これまでのマーケティング理論が、なんかしっくりこないという疑問を感じ始めた人に読んでもらいたい本です。「序破離」でいうところの、序から破に向うくらいの方ですね。
なんらかのヒントが得られるかもしれません。

そして、さらにもう1冊。
石井、嶋口両先生も名を連ねているのですが、JMA(日本マーケティング協会)の研究を元に書かれた、こちら ↓ の本もぜひ。

マーケティング・アンビション思考 (角川oneテーマ21) マーケティング・アンビション思考 (角川oneテーマ21)
価格:¥ 740(税込)
発売日:2008-11-10

この本、2008年の出版となっていますが、実は2001年に出版されている下記の本とほとんど同じ内容の本です。

柔らかい企業戦略―マーケティング・アンビションの時代 (角川oneテーマ21)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2001-11

つまり、2001年に提言されていた内容が、そのまま2008年でも通用したということで。。。
新しい考え方が受け入れられるのには、時間がかかるということですね。
あるいは、ハウツーやノウハウでないと理解されないのか。。。

この本も、もくじを紹介しておきます。

第1章 戦略アンビジョンの時代(嶋口充輝)
第2章 マーケティングの使命は夢を売ること(竹内弘高)
第3章 マーケティングへの2つのチャレンジ(片平秀貴)
第4章 新しい時代の顧客ニーズと顧客志向(恩蔵直人)
第5章 アンビジョンを具現化するマーケティング戦略(上原征彦)
第6章 創造的瞬間がアンビジョンを確信に変える(石井淳蔵)
終章  新たなパラダイムシフト

基本的に、新しいマーケティングについての考え方が示されている本です。
(さすがに今となっては、「新しいか?」と思う方もいらっしゃるでしょうけど・・・)
「アンビジョン」がテーマなので、たとえば竹内先生の章では、マーチン・ルーサーキング師のスピーチが引用されていたりします。

これまでの調査について、少なからず否定的な言説がなされているのも本書の特徴で。。。
(とはいっても、リサーチ自体を否定しているわけではなく、その使い方、考え方についての否定ですので)
引用したいところは多々あれど、ここで抜書きするとそれぞれの文脈とは異なった解釈をされる危険性があるので、やめておきます。

けど、せっかく紹介しているのに、エッセンスを感じてもらえないのも・・・。
思い切って、終章からつぎの文章を紹介しておきます、少し長い引用になりますが。

私たち現代人は、要素還元法と呼ばれる線形の理論に慣れ親しんでしまった。確かに、この手法は重要だ。MBA(的教育)の重要性が叫ばれる。ロジカル・シンキングや財務や税務をはじめ、さまざまな理論という名の知識が必要とされる。
しかし、アンビジョンはロジカル・シンキングでは導き出されない。アンケート調査や統計手法の先にもアンビジョンはない。アンビジョンは哲学のようなものだ。ホーリスティックなアプローチ、あるいはアフォーダンス理論のようなアプローチによって、インスパイアされるものだ。ロジカル・シンキングや財務的なアプローチなどは、得られたアンビジョンを吟味し、ブレイクダウンし、戦略化するために重要なのである。(p.164)

本書の通奏低音になっているのは、このような考え方だということを感じていただければ。
個人的には、おすすめの本です。
(けど、否定的な人も少なくないだろうと思います・・・)

「プレミアムライフ向上委員会」by 7&i

ソーシャル・ネットワークに関連して、備忘録的にひとつ。

ニュースリリースや、企画・開発を担当した方のコラムを見ていて、前からウオッチしていたのですが、具体的な開発商品も発売されたようなので、このタイミングで紹介を。

セブン&アイ・ホールディングスが、商品開発のためのコミュニティサイトとして『プレミアムライフ向上委員会』をオープンしています。

プレミアムライフ向上委員会 (セブン&アイ・ホールディングス)

そして、このサイトを企画・開発した方のコラムが、こちら ↓ 。

「セブンプレミアム」 が顧客参加型商品開発サイト「プレミアムライフ向上委員会」をオープン (Webマーケティングコラム「生活者の力をマーケティングに活かそう」 by japan.internet.com:2009/10/30)

こちらのコラムでは、さらに継続してサイトに関連したエントリーを連載をしていますので、同サイトの詳細についてはこちらで理解できます。

早くも急成長している顧客参加型商品開発コミュニティ「プレミアムライフ向上委員会」
(同上:2009/11/2)

「セブンプレミアム」が顧客の声を商品開発に活用するために考えたこと
(同上:2009/11/9)

あなたも「セブンプレミアム」の商品開発プロジェクトに参加しませんか?
(同上:2009/11/16)

どうやってクラウドソーシングを実現するか?(同上:2009/11/30)

そして、「プレミアムライフ向上委員会」で開発された商品が、「ひとくちポテトコロッケ」。
この商品開発の過程についても、同コラムで紹介しています。

ソーシャルメディアを活用した「セブンプレミアム」の商品開発~第一弾「ひとくちポテトコロッケ」を発売 (同上:2010/1/25)

コミュニティサイトの立ち上げと運営についての事例のひとつとして参考になると思います。

ただ・・・
商品開発の流れ自体は、とくに新しいものは無いように思います。とくに、アンケートの内容とその分析については。(ここで明かされていないことも多いのだろうと思いますが)
これまで、事業会社とリサーチ会社が行ってきた過程を、事業会社とエンドユーザーが行っているに過ぎないのでは、と感じてしまうのは、ソーシャルメディアを理解していないだけなのかもしれませんが。。。
正直、この点については考えてしまいます。
(しかし、「リサーチ会社」が中抜きされていることだけは、紛れもない事実でしょう・・・。そして、その理由は?・・・)

この「プレミアムライフ向上委員会」の仕組みの中で、ひとつ面白いと思ったことがあります。
それは、下記の視点と仕組みです。

そこで、ペルソナに基づいて、「学生ライフ」、「自由人ライフ」、「OL ライフ」、「キャリアウーマンライフ」、「ビジネスマンライフ」、「子育てママライフ」、「スーパー主婦ライフ」、「マイペース奥様ライフ」、「アクティブシニアライフ」というチームをつくり、いずれかのチームメンバーとして参加してもらい、それぞれの「プレミアムライフ」の向上を目指せるようにしたのである。 (同上:2009/11/9より)

このチーム名は投稿の際にもハンドルネームと一緒に表示されているので、発言者の背景(コンテクスト)を理解した上で、発言内容を理解することができるという点が優れていると思います。私の持論でもある「リサーチの結果は、回答者のコンテクストを理解しないと有効ではない」という点にマッチした仕組みだと思いました。

さて、
「プレミアムライフ向上委員会」が成功なのかどうかは、まだこれからの評価になるだろうと思います。ソーシャルコミュニティ、クラウドソーシングを活用した取り組み事例のひとつとして、今後もウオッチはしていこうと思います。

海外マーケティングリサーチ情報源

本寺子屋の「弱み」は?

それは、日本語で記述された以外の情報に弱いということです。。。
これは自分でも重々自覚しているのですが、なにせ英語は得意ではないので、これまでチラチラと気になるサイトは眺めるものの、積極的な情報収集と紹介をしていませんでした。
(内容の理解が、どこまで正しいのか覚束ないというのもあるので・・・)

この点を補ってくれるサイトがありました。
以前このblogでも紹介しました 『最新マーケティング・リサーチがよーくわかる本』 の著者である岸川さんのサイトです。
ここ2回のエントリーは、下記のような内容になっています。

Maket Research -Adapt or Die (みんなのMR.COM:2010/2/1)

2010年のリサーチトレンド~続き (みんなのMR.COM:2010/2/8)

あわせて、こちらのサイトもどうぞ。

Digital Consumer Planner’s Blog

海外の文献や論文、サイト 等を紹介しつつ、今後のマーケティングリサーチについての展望を整理しています。
基本的に、岸川さんのスタンス(というか、お仕事の方向性)はソーシャル・メディアの活用だと思うので、そちらの方向性の内容になっていますが、あながち否定もできない、いやいやこういう視点はとても大切、とも思います。とくに、asking から listening という言葉は、なるほどと思わされます。

岸川さんは、twitter でもご自身で検索されたサイトをその都度紹介していますので、海外のリサーチに関する論調に興味のある方は、フォローしてみてはいかがでしょう?

Experidge 岸川さんのtwitter アカウント

また、Survey MLの萩原さんのtwitterでも、時折、英語サイトが紹介されていますので、こちらも紹介しておきます。(このblogをご覧いただいている方は、すでにフォローされている方も多いと思いますが・・・)

Survey ML のtwitter アカウント

たとえば、こんな投稿が(まさに、いま投稿されました^^;)

業界の重鎮レイ・ポインター氏、ネットリサーチ会社のパネルを使った調査は現在がピーク、次第に他の新手法に取って代わられるとの予測 RT @RayPoynter: Have access panels peaked?
(Survey ML twitter でのtweet :2010/2/8 22:20ころ)

ただ、このblog(寺子屋)も含めて、いずれもそれぞれのフィルターを通った情報が発信されているということは忘れてはいけないと思います。これらの情報源を参照しつつ、自分でも検証や情報探索を行う姿勢も忘れずに。
(これは、決してお二人を批判しているわけではないので、この点はお間違えなきよう。どんな情報も、その発信者による価値判断がなされているということを踏まえて、判断を行う必要があるということです)

(しかし、やっぱり英語力はもっとつけないと・・・、と思う今日この頃。。。
それと、遅ればせながら twitter も始めようかな、とも思う今日この頃。。。
blogで書くには、それなりの覚悟と手間がかかるのですよ。
もっと気軽に、日頃の気づきや、読んだ本の紹介や記録をするには、twitterもいいかなと。
始めるときは、このblogでもお知らせします)

『マーケティング・メトリクス』

マーケティング・メトリクス マーケティング・メトリクス
価格:¥ 2,730(税込)
発売日:2010-01-13

以前、このblogで下記の本を紹介しました。

『分析力を武器とする企業』(2008/10/8)

この本は、データを軸にする経営、ビジネス・インテリジェンスの重要さを説いたものでしたが、今回紹介する本書『マーケティング・メトリクス』は、もっと具体的に、どのようなデータを使うのか、ということに焦点をあてています。

ここで紹介されている指標は119本。網羅的で、基本的な指標が紹介されています。
また、「マーケティングの基本問題別に整理しながら、具体的な事例も交えて展望」(本書 p.ⅳ)されています。

では、どのような分類で整理がされているのかを、もくじで確認します。

序章 マーケティング・メトリクスがなぜ必要なのか
Ⅰ章 魅力的な対象市場を選ぶ
Ⅱ章 市場シェアを確保する
Ⅲ章 売上の収益性を高める
Ⅳ章 顧客創造で売上を積み上げる
Ⅴ章 バリュー顧客を狙う
Ⅵ章 ブランド化で競争力を持続させる
Ⅶ章 広告で市場普及を加速する
Ⅷ章 強い販路を構築する
Ⅸ章 営業力を強化する
終章 組織型ダッシュボードの構築に向けて

これらの基本問題別に、どういう視点で、どのようなデータを使い、どのように計算するのか、が整理されています。指標そのものを覚えることも、もちろん必要ですが、その指標の意味=計算式の意味もあわせて理解すべきです。さらに、具体的な指標についての理解だけでなく、マーケティング活動のポイントを理解することもできるでしょう。

ただ、「マーケティング・メトリクス」という言葉自体が、よくわからない方もいらっしゃるかもしれません。簡単に言ってしまえば、マーケターが意思決定を行う際に依拠する数的指標、とでもいえるでしょうか。
そして、このメトリクを理解するには、さらに終章のタイトルにもある「ダッシュボード」を理解すると、わかりやすいのかもしれません。そう、車のダッシュボードのメタファです。車を運転するときにダッシュボードでメーターを確認するのと同様に、経営においてもダッシュボードのデータを確認しながら、運営を行っていくことが必要だということです。

ここで、具体的な商品としての「マーケティング・ダッシュボード」をいくつか紹介しておきます。マーケティング・メトリクスに興味を持たれた方は、以下の資料もご覧いただくことで、よりマーケティング・メトリクスを理解できると思います。(いずれのリンクも、PDFが開きます)

マーケティングダッシュボード~マーケティング戦略の「見える化」
(野村総合研究所『知的資産創造』2006年5月号)

マーケティングダッシュボード
(電通イーマーケティングワングループ:商品紹介パンフレット)

ダッシュボードのご案内 (インテージ:商品紹介パンフレット)

とはいえ、ここまできっちりしたものを構築しようとすると、それなりの費用がかかりそう。。。
すでに意思決定に際し、なんらかのデータを常にウオッチしている企業は少なくないと思いますが、さらに基本的な指標にはどのようなものがあるのか、マーケティング活動の基本的な流れを指標という視点で理解したい方は、本書を手にとってみるといいでしょう。

ただし個人的には、ここで紹介されている指標は、ほんとに基本的な指標であり、誰もが知っておいてよい(知っておくべき?)指標だという感じもしています。(そういう意味では、必読書になりますね)
そして、もっと大切なのは、「どの指標を重視するのか」であり、KPIの指標として使うとするなら、もっと独自性の高い指標を開発することも必要ではないかと思っています。この点については、ちょうど『日経情報ストラテジー』で特集されていたので、そちらを参考にしていただければと思います。

『日経情報ストラテジー』2010年2月号もくじ (日経BP書店)

(ちなみに、まだ読んでませんが、3月号も関連がありそうです
 → 2010年3月号もくじ ) 

こちら ↓ を見ると、2月号の特集趣旨がわかると思いますので、あわせてどうぞ。
(似たようなことは、著書の田村先生も本書の中で、指摘されています)

「あなたの仕事で一番大事な「数字」は何ですか?」
(日経IT Pro:2009/12/22)

※「KPI」って何?という方は、こちらへ → 情報マネジメント用語事典(by IT Media)