日別アーカイブ: 2009-09-18

RFIDを活用したリサーチサービス

つぎのようなリリースが発表されていました。

RFIDスマートシェルフの技術を活用して、リサーチサービスを行なうという内容です。
具体的には、つぎのような内容のようです。

クレスコIDSのRFIDシステムによって、対象商品にRFIDタグを実装し、店頭の陳列棚にRFIDアンテナを組込む“スマートシェルフ”の仕組みを活用した消費者行動分析サービスです。これにより、棚上の商品動態のリアルタイムでのモニタリングが実現できます。これにより、POSデータなどの購買デー タでは掴みきれなかった、店頭で手に取られたが買われなかった商品などの理由に関する原因分析を含めた各種消費者分析を行うことができます。

実は、RFIDについては、このblogでも以前つぎのように書いていました。

たとえば、レジを通る商品はPOSでわかります。それ以外にも、手に取られた=動いた、あるいはずっと棚に置かれたまま=動いていない、というような情報が取れるとマーケティング的には有用なようにも思うのですが。
(マーケティング・リサーチの寺子屋「次代MR?~2.技術3題」:2008/8/27)

これが現実のサービスとして登場したということになります。
(それにしても、この記事を書いたのは、1年前でしかないんですね。もっと昔のことかと思っていましたが)

あらためて、「スマートシェルフ」で検索してみると、つぎのリリースを見つけることができました。

大日本印刷 タナックス シアーズ
ICタグを使ってマーケティング分析と店頭セールスプロモーションを同時に実現する商品棚システム『多目的スマートシェルフ(仮称)』を開発
(大日本印刷株式会社ニュースリリース:2006/9/12)

このリリースの中でも、つぎのような記述が見られます。

商品棚にICタグを読み取るアンテナと人感センサーを組み込むことで、商品の前で立ち止まった人数、関心を示さず通過した人数を記録するほか、ICタグのついた商品が手にとられた回数・時間、購入される際の検討時間を各店頭PCにデータ蓄積し、専用のソフトウェアで分析し、これらの分析結果を店頭でのマーケティングに直接活用することができます。

このリリースが発表されているのは2006年9月と、だいぶ前。。。やはり考えることは、みんな一緒なんですね。
ただ、百貨店で実験されているという記事はいくつかありましたが、実際のケースとして取り上げられている記事は見当たらず・・・。
「シェルフ」としての機能~在庫管理だとか、棚卸しの省力化等~としては機能しても、データ収集ツールとしてはあまり注目されていないということなのでしょうか。

けれど、購買に至る前段階での商品の動きについてのデータって、結構重要だと思うんですけど。。。
今回の、ジャパンマーケットインテリジェンス(JMI)社による具体的なリサーチサービス化で、活用が進めばいいなと思っています。

(ただ、冒頭のリリースの中で、ひとつ気になる点が。。。
「店頭で手に取られたが買われなかった商品などの理由に関する原因分析」は、どのようにしてわかるのだろう?
RFIDのデータからわかるのは、手に取られたかどうか、その商品が買われたかどうか、という実態の記述だけで、理由まではわからないような気がする。。。店頭実験を繰り返すということだろうか?・・・
このあたりは、直接問い合わせてみてください)