「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ) 価格:¥ 893(税込) 発売日:2009-02 |
(すでに出版から1月くらい経っているようなので、読まれた方も多いかもしれませんが。。。)
創刊当時(もう4年半も経つんですね・・・)、大きな話題を呼び、多くの講演やセミナーが組まれたフリーマガジン「R25」。その講演の内容が、やっと(?)本となって出版されました。
書かれている内容は、著者自身が言っているように当時の講演で語られていた内容ですが、再読してみると、やはりいろいろなきづきを与えてくれるのではないでしょうか。
当時、講演を聞かれた方も、もう一度おさらいのつもりで読んでみても損はないと思います(新書ですし・・・)。
(このblogでも、藤井氏のセミナーの内容を紹介しています。こちら↓)
もくじは、つぎのようになっています。
第1章 少人数の組織で「業界常識」に立ち向かう
第2章 M1層は本音を語ってくれない
第3章 M1層に合わせた記事づくり&配布作戦
第4章 世の中のちょとだけ先を行く発想術
第5章 M1世代とM1商材を結びつける
第6章 さらにビジネスを広げるために
とくに、リサーチに関係するのは2章です。
「R25」のターゲットであるM1層のインサイトを明らかにするために、彼らがどのようなリサーチを行なったのか、ぜひ読んでみてください。調査・リサーチのほんとうの意味、そしてインサイトに迫るには、上辺だけの、通り一遍のリサーチでは通用しないことも、わかってくると思います。
ただ、この本をこのようなリサーチ活用の視点からだけ読むのはもったいない。とくに、調査会社に所属しているリサーチャーの方は、ぜひ一読を。
なぜなら、調査会社所属のリサーチャーは自分たちが取り組んだリサーチがクライアントでどのように活用されるのかがよくわからない、というジレンマを感じることがあります。本書を読むと、この点が少しはわかると思います。クライアントでプロジェクトがどのように進むのか、その中でリサーチがどのようなときに使われるのか、結果がどのように活用(解釈かな?)されているのか、などがなんとなく感じることができると思います。
実際にクライアントのプロジェクトの全過程に関与していくことは、ほとんど不可能でしょう。なので、このような本を読むことで擬似体験をしておくことは、クライアントがどのようなことを望んでいるのか、どのようなことを考えているのかということを理解する一助になると思います。
(ただし、すべてのクライアントが、同じレベルでリサーチを理解・活用しているというわけではない、ということも忘れずに。)
リサーチャーに限らず、読む人の立場や問題意識によって、いろいろに読むことができる本だと思います。そういう意味でも、おすすめです。
新書(≒安い)ですし、語り口調なので読みやすく、90分くらいで読むことができる内容ですので、一度手に取ってみてください。
PS.
同じリクルートの方の著書ですが、こちら↓の本もあわてどうぞ。
リクルート流発想術&広い意味でのリサーチの勘どころのようなものを感じ取れる内容です。
(こちらの本も、本blogで以前紹介しています。あわせて、どうぞ→ こちら )
リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 (日経ビジネス人文庫) 価格:¥ 750(税込) 発売日:2006-08 |
【2009.6.25追記】
「R25」に関して、↓のような記事も。