課題解決型マーケティング・リサーチ 基礎編 価格:¥ 2,205(税込) 発売日:2008-10 |
課題解決型マーケティング・リサーチ 事例編 価格:¥ 2,730(税込) 発売日:2008-10 |
ほんとに、マーケティング・リサーチの本がよく出ます。
一応、特徴的なものを選んで紹介しているつもりですが、これだけ紹介してしまうと、結局どれがいいのか迷ってしまいますよね・・・。
目的次第でどの本になるかも決まりそうですが、それぞれに長短があるので、本屋さんで実物を確認してからの方がいいかもしれません。
(とはいえ、↑のリンクを通じてアマゾンで購入していただくのが、一番うれしいです^^;)
今回ご紹介する本は、「基礎編」と「事例編」の2分冊になっています。両方買うと、5千円近いので、ちょっと高いかなという気もしないではないですが。
まずは、もくじを見てみましょう。「基礎編」から。
第1章 マーケティング・リサーチの役割
第2章 マーケティング・リサーチの手順と基本設計
第3章 定量的手法の概説
第4章 インターネット・リサーチの特徴と活用
第5章 実験調査法と評価技法の概説
第6章 データ分析の方法
第7章 今後のマーケティング・リサーチ
本文総ページ数185ページの中に、これだけ網羅していますので、もくじにもあるとおり「概説」です。マーケティング・リサーチ(それも定量調査について)を行う際に知っておくべき知識を網羅している感じで、事典的に利用するのに適しているといえるかもしれません。これだけだったら、きっとこのblogで取り上げることもなかったと思います。
では、なぜ、ここで取り上げたのか?
それは、「第5章 実験調査法と評価技法の概説」の章があるからです。これまでの類書で、この点をきっちりおさえている本は、あまりないのではないでしょうか?
たとえば、つぎのような言葉について、解説されています。いずれも、コンセプト調査やプロダクトテスト、パッケージテストなどの商品開発系の調査を行うには、知っておかなければいけない知識です。(が、このあたりを書いている本は専門書になってしまうし、web上でもあまり見かけません・・・)
以下にあげる言葉を、きっちりと説明できますか?
順序効果、記号効果、位置効果、初期効果と練習効果、疲労効果、対比効果、期待効果、実験者効果、偽薬効果
テスト品の提示順
モナディックテスト、シーケンシャルモナディックテスト、一対比較テスト
オープンテストとブラインドテスト
絶対評価と相対評価
よくわからない方は、一度、この本で確かめてください。商品開発系の調査は、これらをどう判断するか、さらにCLTで実施するのか、HUTで実施するのか等の手法の選択など、多くのポイントを検討しておく必要があるのです。
つぎに、「事例編」のもくじを。
第1章 マーケティング課題へのリサーチ手法の応用
第2章 消費者ニーズ把握のための調査
~携帯電話の消費者ニーズ調査
第3章 アイデア探索・コンセプト構築のための調査
~緑茶飲料のニーズ探索調査
第4章 製品コンセプト開発のための調査
~カップスープのコンセプト評価調査
第5章 新製品のプロダクトテスト
~キャラメルのプロダクト評価調査
第6章 ネーミングテスト
~ビールのネーミング調査
第7章 価格戦略立案のための調査
~電動歯ブラシの価格調査
第8章 ブランド・マネジメント戦略立案のための調査
~輸入車のブランド・イメージ調査
第9章 広告効果測定調査
~特定保健用食品のテレビCM効果測定調査
第10章 顧客との関係性強化のための調査
~コンビニエンスストアの顧客満足度調査
以上の事例について、「調査の背景と目的」「アプローチ方法」「調査設計と調査項目」「調査の結果」「考察・示唆・知見」といった項目で整理しています。
これまでマーケティング・リサーチをあまり実施したことがない方や、特定の領域でのリサーチしか経験したことがない方が、様々なテーマでのリサーチについて、具体的なイメージをつかむ参考になると思います。(あるいは、自分がふだん行っている内容と同じなのか違うのか、どこが違うのか、を確認するというのもありかもしれません。)
ただし、ここで取り上げられている内容ややり方が、いつも正解というわけではないので、その点はお間違えなきよう。