日別アーカイブ: 2008-07-18

びっくり!だけど、なるほど・・・

博報堂から、一本のリリースが発表されていました。
かなりびっくりしましたが、よくよく考えると、なるほどと納得のできるものです。。。

博報堂、マーケティングリサーチ会社「株式会社東京サーベイ・リサーチ」の株式を取得(博報堂ニュースリリース:2008年7月14日発表)

「株式を取得」といっても、発行済み株式の74.4%の取得による連結子会社化ですし、社長も博報堂の方がなるようです。電通-電通リサーチほどではないかもしれませんが、それに近い形になるのでしょうか?

東京サーベイリサーチ(TSR)社は1965年の創業ですから、リサーチ業界ではかなりの老舗企業です。それに、ネットリサーチ以前には、リサーチ業界のランキングで10位前後に位置づけられていたのではないでしょうか。

これで、民族系(日本資本)・独立系・非装置系調査会社の一角がまた崩れました。
(今年2008年の4月には、やはり1969年設立の調査会社スミスが「NTTデータスミス」になっています。)

ただ、このblogでも何度も指摘してきたように、マーケティング・リサーチのネット化とグローバル化の動きの中で、民族系(日本資本)・独立系・非装置系調査会社は厳しいポジションにあり、なんらかの動きを取らないと生き残りが難しいのではという仮説が、どんどん現実化しているだけでもあります。
そして、ネット系調査会社との提携や外資系企業との提携など業界内での選択肢のほかに、広告代理店やコンサル会社といった、データ収集機能を内在化したい企業の傘下に入るというのも、大きな選択肢のひとつとしてあるのだということが明らかになったということです。(このことが何を意味するのか・・・。あまりうれしくないことなので明示しませんが、わかる人にはわかっていただけるのではないでしょうか。)

で、このような流れの中で、TSRは業界内での選択ではなく、広告会社の傘下に入る選択をしたということです。博報堂とTSRの関係は、以前からかなり強いものだったので、ある意味、当然であり妥当性な選択といえるかもしれません。(この動きについては、個人的にも、いろいろと思うところがあるのですが、さすがにここでは触れられませんので。。。)

さて、残された民族系・独立系・非装置系の各社は、これからどんな道を進むのでしょうか?まだまだ、業界再編は続きそうです。。。

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