日別アーカイブ: 2007年2月7日

実態把握型リサーチ(調査)

Q子 また、ずいぶん間が空きましたね・・・-_-

owl ごめんなさい、ちょっと風邪気味で^^;。花粉症の疑いもあるけど・・・。のどいたいし、鼻水とまらないし、くしゃみだし・・・。

Q子 はいはい^^;。で、今日のテーマは?

owl 前回、話をした3つの調査タイプのうち、最初の「実態把握型」のリサーチ(調査)について、少し詳しくみていこうと思う。
P夫君、「実態把握型」リサーチって、どんなリサーチだったか覚えている?

P夫 えーと・・・。いまの市場がどうなっているのか、消費者がどうなっているのか、自社のブランドや商品はどうなっているのか、競合との比較ではどうなのか、といったように、とにかく実態を把握しようというタイプのリサーチ。

owl そうだったね。では、具体的にどんなリサーチ・テーマが思い浮かぶかな?

P夫 消費者がどうなっているか、自社の商品がどうなっているか・・・

owl さっきと同じじゃん!^^;
とはいっても、具体的なリサーチ・テーマをあげるとなると、かなり広い範囲に渡るのも確か。大雑把にまとめてしまうと、つぎようなものがあるんじゃないかな。

  • 生活実態調査
  • 利用実態調査(U&A=Usage&Attitude調査)
  • 企業・ブランドイメージ調査
  • 広告調査
  • 価格調査
  • 流通実態調査
  • 売上分析、マーケット・シェア分析

Q子 う~ん・・・。なんとなくわかるような、でもわからないような・・・。

owl そうだね。確かに、こうやってみると一般的にすぎるし、こんなテーマ・アップだけでは、実際の調査はできない。「生活実態」といっても、どのような生活に焦点を合わせるかで、内容は全然異なってくるから。
ただ、フレーム的に、これだけのことを知ることが、企業活動には必要だということは覚えておいてほしいんだ。
まず商品やサービスを購入している生活者がどのような生活をしているのか、その中で自社の商品・サービスはどれくらい知られていて、どのように購入され、使用されているのか。競合と比較して、どうなのか。また、お客様の選択の手掛かりともなるブランドや企業のイメージは、どうなっているのか。
そして、広告や販促はどの程度、生活者に伝わっているのか、正しく理解されているのか、店頭での価格はどうなっているのか、流通の現場で棚に並んでいるのか。
結果として、どの程度の売上をつくり、どの程度のシェアを獲得できているのか。
こんな感じで言葉を変えてみると、理解しやすいでしょ?

P夫 確かに理解はできますけど、こんなにマーケティングの全体にわたってリサーチをしている会社ってあるんですか?少なくともうちの会社は、新しい商品を開発する時に、調査をしてみようかって感じですけど・・・。

owl そうだね。これだけ、きちんと系統だててリサーチを実施している会社は、多くないかもしれない。でも、必要だと思うでしょ?

P夫 まあ、必要だとは思いますけど・・・。

Q子 なんで、これだけきちんとやっている会社が少ないんですか?

owl それは、膨大な費用と労力がかかるからだろうね。それと、実態把握型リサーチの結果って、一見、あたりまえの結果が得られることが多いから、費用対効果の面でどうなんだという話になりやすいというのもある。
個人的な経験からすると、だいたい3回くらいは実施するけど、そこで「もういいや、毎回同じ結果だから」ということになりがちだね・・・。

P夫 だったら、やっぱり必要ないんじゃないですか?

owl それは、データをどう使うか、という意識の問題だと思うけどね。
回をあらためて話をしようと思うけど、同じフレームで継続していないと、実態把握型リサーチの価値は、だいぶ損なわれるといっても過言ではないと思う。
一回だけのデータで、変化を捉えることができるかな?3回だったら可能かな?
あるいは、たとえば認知率調査で15%という数字が出て、これは成功なのか、まだまだなのか、断言できるかな?

P夫 たしかに、調査のデータをみて、高いという人もいれば、低いという人もいたり、人によって解釈が食い違うこともありますけど・・・。

owl そうでしょ?だから、実態把握型のリサーチでは、できるだけフレームや設問を変えずに、継続して実施することに価値があるんだよ。
リサーチをきっちり行っている会社では、リサーチ体系の中で、このような実態把握型のデータを積み重ねて、変化の兆しを捉えようとしているし、リサーチの結果も科学的に解釈しているよね。

P夫 わかりますけど・・・。その都度、単発でやっていては、まったく意味ないですか?

owl そんなことはない。たとえば、商品開発にあたって実態を深く知りたいというときや、商品の発売後に開発テーマに沿って利用実態を知りたいというような時は、継続調査だけではデータが足りないときもあるだろうし。
(ただしこれらは、実態把握型というより、次回以降の仮説探索型や仮説検証型と捉える方が、すっきりします。)
いくら、データの積み重ねが大事とはいっても、単発でもやらないよりは、やった方がいいだろうしね。市場について理解した上で、開発をはじめるのと、そうでないのではリスクは全然違うから。

Q子 実態把握型のリサーチって、やっぱりアンケートですか?

owl アンケートというか、定量型の調査がメインにはなると思う。「実態を把握する」ことが目的なんだから、数量的に捉えられていないと意味がないからね。
ただ、オープンデータの分析も、有用だね。社内には、売上データとかPOSデータとかあるんだから、そのデータを分析するだけでも、変化の兆しをつかめるよね。あるいは、業界団体が発表しているデータもあるよね。
たとえば、自動車販売台数の推移とかみると、登録車の購入が減少していて、軽自動車の販売台数が増加しているよね。このような実態を認識しているかどうかで、つぎの商品開発の考え方は異なってくると思わない?

P夫 確かにそうですね。。。ただ、それがわかっただけでは、何にもならないとも思うけど。

owl それはそう。だから、この実態=軽自動車の販売比率が上昇している、の背後にあるのは、どのようなニーズかということを深堀する必要が出てくる。それが、仮説探索型の調査だよ。

P夫 そういうことか・・・。

owl けれど、この実態を認識していないと、そんなリサーチテーマさえ思い浮かばないわけだから。だから、実態把握型のリサーチは必要だということなんだ。

Q子 他には、オープンデータというと、どんなものがあるんですか?

owl 一般的なものは、官公庁が発表している様々なデータがあるでしょ?それと、さっきの自動車の例に出したような業界団体でまとめたデータ。
他には、調査会社やシンクタンクが販売している継続データもあるよ。「シンジケート・データサービス」といって、購入しないといけないけど。それも、結構なお値段・・・。
たとえば、つぎのようなデータがあるね。

他にもあると思うけど、とりあえず、思いついたものだけ^^;
調査会社やシンクタンクのHPに行けば探せると思うから、他にもあたってみて。
そうそう、シンジケート・サービスとは異なるけど、様々な調査データを検索してくれる、つぎのようなサービスもあるよ。

Q子 へー、オープンデータって、いろいろあるんですね。。。自分のとこで、あらためて調査する必要ないみたい・・・。

owl いっぱい、あるよ。オープンデータについての講義もいつかしないとね。オープンデータについての知識の有無も、できるリサーチャーかどうかの差になってくるからね。
ただ、これらのデータは、調査項目やフレームが決まっているし、データの提供方法も決まっている。だから、帯に短し、襷に長しということもある。
けれど、さっきから言っているように、一から、毎年、これらのデータを独自で集めようとするとそれもたいへん。。。
自社で必要なデータがどんなデータで、そのデータを入手するには、公開データでいいのか、専門機関のデータがいいのか、自社で独自にリサーチすべきなのか、費用対効果も考えて、きちんと計画しないとね。

P夫 一言で、実態把握型のリサーチといっても、いろいろあるんですね・・・。

owl それがわかっただけでも、意味があるよ^^

【お知らせ】
前回の投稿で、世界のリサーチ会社のランキングを掲載しましたが、またちょっとした動きがあったようです。詳細は、前回の投稿に記載しますので、そちらを参照ください。