日別アーカイブ: 2007年1月29日

『経営戦略を問いなおす』

経営戦略を問いなおす 経営戦略を問いなおす
価格:¥ 735(税込)
発売日:2006-09

前のエントリー(「業界再編の予感・・・」)で、「対して、民族系(日本資本という意味)・独立系・非装置系のリサーチ会社は、どのような戦略を描くのか・・・。」などと書いてしまいましたが。。。

では、「戦略」とはなんぞや?

買ったままで未読だったこの本を思い出し、さっそく。
すでに多くのblogでも紹介されていますので、詳しい内容については、つぎのblogなどをあわせてご覧ください。

経営の戦略と自らのビジネスライフ戦略(大西宏のマーケティングエッセンス)

経営戦略を問いなおす(Outlogic)

自分自身、これまでも戦略系の本を多少かじってきましたが、これまでのものに比べ、腑に落ちることが多かった本です。
いつものように、まずもくじから。

第1章 誤信
     1.いつでも誰でも戦略?
     2.何が何でも成長戦略?
     3.戦略はサイエンス系?
第2章 核心
     1.立地
     2.構え
     3.均整
第3章 所在
     1.戦略は部課長が考えろ?
     2.我が社には戦略がない?
     3.戦略は観と経験と度胸!
第4章 人材
     1.企業は人選により戦略を選ぶ
     2.傑物は気質と手口で人を選ぶ
     3.人事は実績と知識で人を選ぶ
第5章 修練
     1.文系学生に送るメッセージ
     2.中堅社員に送るメッセージ
     3.幹部社員に送るメッセージ

このもくじ、きちんと「?」と「!」の使い分けには注意してみてください。でないと、著者が伝えようとしていることと逆のメッセージを受け取ってしまうので。

引用したい箇所が多すぎます。
それだけ、「つぼ」にはまった本です。
「戦略」とは何か?、そして、日常的に組織で行われている「戦略論」というものが、いかに本質をはずれたものであるかを納得させられます。(ただし、少しは社会人経験があり、組織・企業というものの不可思議さや理不尽さを経験していないと、この本のほんとのよさはわからないかもしれません。。。)
それは、『既存の戦略論が形から入る一般論だとすれば、これは戦略の現場から発想した実践論のつもりです』(「あとがき」より)、だからでしょう。

本文からの引用は難しい(長くなる)ので、著者自身が各章の扉でまとめているエッセンスを中心に、いくつかを紹介します。

・本当の戦略は、戦略の限定性を認識するところから始まる
・本当の戦略は、売上を伸ばすことを目指すものではなく、売上を選ぶもの
・本当の戦略は、主観に基づく特殊解
・戦略とは、「立地」「構え」「均整」
・戦略を実行部隊に委ねるのは話が違う、戦略まで決めろというのは行き過ぎ
・日本企業は、本社経営陣とミドルに挟まれた事業部長の職に矛盾が集中
・戦略は次々と飛び込んでくる情報への処し方で決まる
・戦略は頂に座する人(=経営者)に宿る
・戦略が人に宿るとすれば、戦略そのものを選ぶことはできない、そのかわり、人を選ぶことで戦略を間接的に選ぶという図式が成立する
・人選の基準は、幼少期や学齢期に身につける「気質」と、30代の仕事を通して身につける「手口」
・学生時代にしかできないこと、それは一般教養を体系的に身につけること
・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
・経営職を目指すならば、中堅社員と呼ばれる時期(30代前半)に、個人としての精神の自立を遂げておくべき
・いくら今いる世界が地盤沈下を起こしていても、そこが知り尽くした明るみである以上、人はなかなか暗闇(無知の世界)へ足を踏み入れようとはしない⇒ジリ貧へ

そして、著者の戦略論の本質。それは、「経営の営為」が「結果(業績)」につながるということではなく、『結果につながる本当の原因は、営為の背後に控える「事業観」にあるのではないかという見方が浮かんできたのです』(「あとがき」より)。
だから、「戦略」を語れるのは、事業観をもった経営者だけだといえるのだと思います。

いかがでしょう?
少しでも興味をもたれた方は、ぜひ本書をお読みください。
決して、読みにくい本ではありませんので。
(大西さんのblogにあるように、自分のビジネスライフ戦略のために読むのも、有益だと思います)

(少し、寄り道してしまいました。次回からは、寺子屋に戻ります。今週中には・・・)