顧客理解の技術 変化を先取りし、価値を創造する 価格:¥ 2,310(税込) 発売日:2005-09-08 |
心理学からは離れますが、「顧客理解」という視点から、もう一冊紹介します。
著者は、シンクタンクのコンサルタントです。『消費者行動論』がフレームの理解だとすると、この本は、そのフレームを理解した上で、どのように顧客理解を行うかの技術=テクニックについて述べたものになっています。
「はじめに」で、『この本は、私たちの顧客に関する、数多くのコンサルティングの「実践の場で創出し、培ったノウハウ」を汎用化して書き上げたものである』と記されていることからも、わかると思います。
もくじを紹介します。
序章 成熟社会の顧客変化をとらえる技術
第一部 身につける、活用する
第1章 5つの<顧客理解の技術>
1.顧客変化理解の技術
2.背景理由理解の技術
3.顧客価値理解の技術
4.顧客行動理解の技術
5.顧客情報活用の技術
第二部 知見を深める
第2章 顧客価値の理解を深める
1.価値ポジショニングを考える
2.差別化価値を深める
第3章 <顧客理解の技術>参考データ集
1.人口変化の基本データ
2.世帯変化の基本データ
3.バリューセグメント分析参考データ<サマリーデータ編>
4.バリューセグメント分析参考データ<詳細データ編>
5.消費トレンド分析参考データ<サマリーデータ編>
6.消費トレンド分析参考データ<詳細データ編>
マーケティング・リサーチというと、「アンケートとかインタビューを行うこと」というような認識も少なく無いですし、実際、調査会社で行っているのは一次情報の収集が主です(本書の1章3~4の部分)。
しかし、一次データの収集だけがマーケティング・リサーチではなく、二次データ(オープンデータ)をどのように使いこなし、分析するのか(1章1~2)、というのも大事なスキルになるのではないでしょうか?また、第3章で取り上げている基本的な構造変化や、消費トレンドデータをどの程度理解しているのかということも、重要な視点です。
(とはいえ、第3章で取り上げられているデータは、ごく一般的なデータですので、何か新しいデータはないかと探している人にとっては物足りないものだと思います。)
シンクタンクがどのようなフレームで顧客分析を行っているかを知っておきたい方、オープンデータからどのような読み取りを行うかを知りたい方、そして、消費者や世代についての基本的なことを知っておきたい方、お勧めです。